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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第55回 自転車ネットワーク構想に基づくまちづくり (2013/10/9 埼玉県さいたま市議会議員 池田麻里氏/LM推進地議連会員)

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政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第55回は、埼玉県さいたま市議会議員の池田麻里氏による「自転車ネットワーク構想に基づくまちづくり」をお届けします。

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自治体の概要

 2001年に大宮市、浦和市、与野市の旧3市が合併して誕生したさいたま市は、本年で政令指定都市移行10年目を迎えます。首都圏のベッドタウン、北関東、東北方面への玄関口として人口増が続いていますが、今後、急激に進む高齢化を見据えたまちづくりへの政策転換が求められています。

自転車まちづくりへの取り組み

さいたま市議会議員 池田麻里氏

さいたま市議会議員 池田麻里氏

 私は2007年に初当選。現在、2期目を務めています。さいたま市議会は2010年に議会基本条例を制定させるなど議会改革にも熱心に取り組んでおり、近年では議員提出の政策条例づくりにも力を入れています。

 私自身も2010年に会派の政策条例として「さいたま市自転車の安全な利用を促進する条例」を提案。その時には、残念ながら任期をまたぐ継続審議での廃案となりましたが、それを契機に自転車を安心・安全に利用できるまちづくりに取り組んでいます。

 なぜ「自転車まちづくり」か、ということにはいくつか理由があります。ひとつは、さいたま市(埼玉県)は自転車の保有率が高く、平地であるため、自転車を利用しやすい環境にあるということ。一方で、交通事故の発生件数が多く、大きな課題です。安全に自転車を利用する市民が増えることで、コンパクトなまちづくり、健康の増進、環境負荷の低減、暮らしの楽しみ、など多くの点で市民福祉の向上につながるものと考えています。

 これまで、議会質問と会派の予算・政策要望の中で、主に(1)ハードの整備、(2)安全利用の啓発、(3)モビリティマネジメント、(4)イベント誘致、(5)市民参加の促進、(6)庁内体制の整備と計画づくり、の6点に分けて取り上げてきました。

自転車利用のアンケート調査報告書

自転車利用のアンケート調査報告書
(画像をクリックするとPDFが開きます)

 ハードの整備については、国土交通省の自転車通行環境整備のモデル事業を利用して進められた「線」での自転車走行空間の整備が、ようやく本年度に「ネットワーク」化のための「自転車ネットワーク構想」策定へとつながりました。私自身も会派同僚議員と一緒に、図書館やスーパーなど自転車利用の多い地点でアンケート調査を実施し、具体的な課題箇所の洗い出しや、幹線道路と生活道路での整備手法の違いなどについて提言を行いました。

 安全利用の啓発・促進については、昨年4月に埼玉県において「埼玉県自転車の安全な利用の促進に関する条例」が施行されました。

 私は、安全に自転車を利用する市民を増やしていくために最も重要なことは、モビリティマネジメントだと考えます。少子高齢社会を見据えたコンパクトなまちづくりの柱として、徒歩と自転車で暮らせるまち、を具体的なイメージをとして示すこと。そこを出発点に公共施設や病院、商店などの配置や交通網を構築していく。「自転車まちづくり」はこれからの地域にとって、大切なコンセプトです。

 さいたま市においては、この9月定例会での私たちの会派(民主党さいたま市議団)による代表質問への市長答弁で、自転車に関わる施策を一元的に取りまとめる担当課を創設する方向性が述べられました。これまでの議会活動のひとつの成果だと受け止めています。

 今後とも、自転車ネットワーク構想に基づく施策の推進にあたって、議会からチェックと提言を行っていけるよう調査研究を重ねてまいります。

著者プロフィール
池田 麻里(いけだまり):さいたま市議会議員。1975年11月13日生まれ。埼玉県立浦和第一女子高等学校、早稲田大学社会科学部卒業。民間企業勤務を経て、衆議院議員枝野幸男秘書。2007年市議会初当選。現在、2期目。
HP:さいたま共生のまちづくりネットワーク
Blog:池田まりの活動日記
facebook:池田麻里
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