障害を理由としたあらゆる差別の解消に向けて―障害者差別解消法で何が変わるのか  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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[用語解説]障害者差別解消法、障害者基本法

障害を理由としたあらゆる差別の解消に向けて―障害者差別解消法で何が変わるのか (2016/3/9 政治山)

 障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)が4月施行されます。

障害者権利条約採択から10年越しの国内法施行

 法制化のきっかけは2006年12月。国連で「障害者の権利に関する条約」が採択され、国内法制度の整備の一環として2013年6月、同法が制定されました。これを受けて、2014年1月に日本は同条約を批准し、世界で140番目の批准国となりました。条約採択から実に10年越しの国内法施行となります。

障がい者マーク

 障害者に関する国内法がなかったわけではなく、1970年に「障害者基本法」が制定されています。障害者支援の基本的理念を定めており、2004年の同法改正では、差別や権利侵害禁止を明記しました。

 同法は2011年にも改正され、国連の条約を受けた法整備の一環として障害者の定義を拡大するとともに、バリアフリーに向けた合理的配慮の実施を国や地方自治体などに義務化しました。

対応の遅れが懸念される民間事業者

 障害者差別解消法は、障害者基本法の基本理念に則り、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的としています。具体的には、(1)国や地方公共団体、民間事業者などが「障害を理由とする差別」を禁止すること、(2)差別を解消するため政府全体の基本方針を作成すること、(3)行政機関等ごとに対応要領や指針を作成すること―などを定めています。

内閣府が作成した障害者差別解消法の広報パンフレット


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「内閣府が作成した障害者差別解消法の広報パンフレット」には、禁止・義務事項が分かりやすく記載されています

 また、車いすの方が乗り物に乗る時に手助けをしたり、障害に応じたコミュニケーション手段(筆談や読み上げなど)で対応したりする“合理的配慮”について、国や地方公共団体は法的義務とし、民間事業者には努力義務を課しています。

 ただ、施行直後は民間事業者などの認識不足によりトラブルとなる可能性も指摘されています。関係15省庁は、民間事業者向けに対応指針をつくるよう義務づけましたが、事業者への通知を出し終えたのは1月中旬で、対応の遅れが懸念されています。

<著者> 上村 吉弘(うえむら よしひろ)
株式会社パイプドビッツ 政治山カンパニー 編集・ライター
1972年生まれ。読売新聞記者8年余、国会議員公設秘書3年余を経験。記者時代に司法・県政の記者クラブに所属し、秘書時代に中央政界の各記者クラブと接してきた経験から、報道機関の在り方に関心を持つ。政治と選挙を内外から見てきた結果、国民の政治意識の低さに危機感を覚え、主権者教育の必要性を訴える活動を行っている。
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