改革の歩みを止めない―芽室町議会  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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第9回マニフェスト大賞

改革の歩みを止めない―芽室町議会 (2014/11/21 北海道芽室町議会)

地方自治体の首長・議会の先進的な取り組みや、地域主権を支える市民の活動を表彰する「第9回マニフェスト大賞」のグランプリと各最優秀賞の発表が11月14日、東京・港区の六本木アカデミーヒルズで行われ、8部門17作品が表彰されました。政治山では受賞された皆様から、取り組みの概要や経緯、今後の展望などを寄稿いただきます。今回は最優秀成果賞を受賞された北海道芽室町議会による「改革の歩みを止めない-芽室町議会」をご紹介します。

第9回マニフェスト大賞 最優秀成果賞の発表直後の広瀬重雄議長(右)と審査委員の江藤俊昭 山梨学院大学法学部教授

第9回マニフェスト大賞 最優秀成果賞の発表直後の
広瀬重雄議長(右)と審査委員の江藤俊昭 山梨学院大学法学部教授

「芽室町議会活性化計画」の策定と推進

 芽室町議会では、2000年から議会活性化計画を策定し、着実に実践を積み上げてきた。2012年には、「住民に開かれ、分かりやすく、活動する議会」をスローガンに掲げ、議会運営全体の改革を急ピッチで進めている。この改革の推力となっているのが議会活性化計画である。議会基本条例にも明記し、単年でPDCAサイクル(計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善(act))を回しながら改革・活性化を推進するエンジンとしている。議会が活性化計画を持つ意義は、「改革・活性化を後戻りさせない」「改革の名の下での議員の暴走を許さない」「1つの組織としての任期4年間の議会活動を次期に着実に継承し、町民の信頼を得ることができる議会にする」ことにある。計画書の構成は、「議会運営の基本理念と基本方針」「自治基本条例(議会関連)」「計画年間スケジュール」「議会活性化計画」「議会自己評価」の5項目から成る。

 議会基本条例の条文を行動計画化し、工程表に基づき進行管理する。議会基本条例の全条項目について、全議員が自己評価し、加えて常任委員会ごとに評価し、課題事項を年次計画に掲げ実行する。評価と計画については、議会モニターに報告・意見聴取と、議会改革諮問会議への諮問・答申というステップを踏まえ、町民参加による計画に位置付け、議会広報誌、議会HPおよび議会報告会でも公表している。

芽室町議会HP:http://www.memuro.net/gikai/gikai.htm

ワールドカフェ議員研修の風景

ワールドカフェ議員研修の風景

「芽室町議会・議員研修計画」の策定と実施

 芽室町議会では、2013年度から議員研修計画を策定のうえ、議会費として予算計上し実施している。2013年度は計10回、2014年度は計13回の研修会を開催し、委員、議会モニター、町民、町職員、近隣市町村議会議員にも広く参加を呼びかけ公開している。研修後は、全議員がレポートを作成し、議長への提出を義務付けている。連携する機関・場面等は次の通り。

(1)民間会社・財団
 民間の研修会社(アムリプラザ:札幌市)と共同により、自由討議(議員間討議)の手法開発に着手し、ワークショップ方式・ワールドカフェ手法を学び、議会報告と町民との意見交換会に生かしている。東京財団からは、保健・医療・福祉研修や水・環境問題など政策面の研修も受け、常任委員会活動に生かしている。

(2)北海道大学公共政策大学院
 2012年6月に北海道大学公共政策大学院と包括的連携協定を締結し、議会ICT、政策(行政)評価、公共施設マネジメントなどの研修を開催し、着実に議会運営に生かしている。

(3)議会サポーター
 2012年4月から議会サポーターを設置し、議会改革、議会ICT、道州制などの研修会を開催し、着実に議会運営に生かしている。

(4)議会フォーラム
 2013年度から毎年1回、議会改革・活性化を目指した「議会フォーラム」を開催している。先進議会の議員と専門家等を招へいし、基調講演と事例発表、当町議員を交えたパネルディスカッションを開催している。2013年度は「議会報告と町民との意見交換会の新しい手法」、2014年度は「政策形成サイクル手法」などをテーマに開催し、着実に議会運営に生かしている。

町民との意見交換会と常任委員会活動を中心とした「芽室町議会・政策形成サイクル」(第8回議員協議会3/25提示)

町民との意見交換会と常任委員会活動を中心とした「芽室町議会・政策形成サイクル」
(第8回議員協議会3/25提示)

 今回の受賞対象の「芽室町議会活性化計画」は、一昨年(2012年/第7回)に受賞した優秀コミュニケーション賞の「議会広報の通年発行」と同様、2000年から実施している事業のクオリティを向上させたものである。このこと自体、芽室町議会が脈々と改革・活性化を引き継いで実践している証であり、今後も継続していくものであると考えている。「議員研修計画」については、本町議会を取り巻くネットワークを資源として実施しているものである。

 受賞を糧として、町民のために、まちづくりのために「住民に開かれ、分かりやすく、活動する議会」を掲げながら、政策形成サイクルとICT推進により「政策議会」に向けて議会議員一同活動していきたい。

北海道芽室町議会 議長 広瀬重雄(芽室町議会議員16名)

議会モニター会議

議会モニター会議

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関連リンク
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第9回マニフェスト大賞 グランプリに相馬市長の立谷秀清氏ら(2014/11/14)
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