第33回 言葉を尊ぶ議会へ~議会改革はじまりの第一歩~  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

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【LM推進地議連連載/リレーコラム47~地方議員は今~】

第33回 言葉を尊ぶ議会へ~議会改革はじまりの第一歩~ (2013/4/24 千葉県袖ケ浦市議会議員 笹生猛/LM推進地議連会員)

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政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載・コラムを掲載します。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信していきます。現在は、全国47都道府県の議員にご登場いただき、地域の特色や問題点などを語っていただく「リレーコラム47~地方議員は今~」を連載しています。第33回は、袖ケ浦市議会議員の笹生猛氏による「言葉を尊ぶ議会へ~議会改革はじまりの第一歩~」をお届けします。

◇        ◇        ◇

袖ケ浦市とは

 袖ケ浦市は房総半島の中部に位置し東京湾を望む人口約6万1,000人の市である。昭和40年代に臨海部の埋め立てが始まり、漁業に従事していた人たちは漁業権を放棄した。現在は臨海部に日本有数の企業が立地し、財政的には千葉県下では浦安、成田に次ぎ恵まれた市である。しかし、昭和50年代には2.0を超えた財政力指数も2012年には1.06となり、「豊かな袖ケ浦」は過去のものになりつつある。

 また、1997年に東京湾アクアラインが開通し、2001年には東京ドイツ村がオープンして活況を呈している。さらに、昨年の2012年には隣接する木更津市金田地区に三井アウトレットパークがオープンし、大盛況である。このアウトレットパークの波及効果を生かすまちづくりの方策を模索している。

袖ケ浦市議会の様子

 袖ケ浦市は衆議院小選挙区では千葉12区の北限に位置する。政治的には保守的色合いが根強い地域である。市議会の定数は24人。8会派あり、そのうち5会派はメンバー2人の会派である。

 2007年に現市長が誕生したが、人事案では教育長人事、副市長人事が否決された。教育長は次の議会で同意を得たが、副市長に至っては2年5カ月不在であった。このように、市長と議会の関係は“良好”という感じではない。

変化の兆し~議会改革特別委員会の設置

袖ケ浦市議会議員 笹生猛氏

袖ケ浦市議会議員 笹生猛氏

 2012年10月に行われた市議会議員選挙は定数24人に対し30人の立候補があった。定数24人に対し25人が立候補した2008年の選挙と比較すると、激戦の選挙であった。結果は9人の新人議員が当選し、大幅にメンバーが入れ替わった。時代の要請とメンバーの入れ替えにより、議会の様相も変化の兆しが見えてきた。

 選挙では、多くの議員が“議会改革”を訴え、その声に応えるように議会改革特別委員会が設置され、委員長を拝命した。議会改革委員会で議会改革を検討するのだが、「議会改革=定数削減・報酬削減」という“お決まりのパターン”が支配的であった。

 しかし、「“定数削減・報酬削減”だけが議会改革」という“結論ありき”の検討ではなく、「議会改革とは何か」という根本的な問題を扱うことから委員会を始めた。委員会は、形式的な議論ではなく、ダイアログ(対話)で行い「議員が思いを言葉にし、その言葉をつないでカタチにする」ということを大切にして進めている。

 そこには、傍観者や解説者ではなく、当事者として関わることをつくり出したい。それには、喜びや感動が必要だと考える。ダイアログの中で「言葉を発する喜び、言葉が伝わった時の感動。言葉を本当に受け取った時の驚き」をつくり出せれば、必ず今までとは違う展開が起こると信じている。

 ここから、議会改革の理念をつくり出すことが目下の課題である。

ブレークスルーを起こせ

議会報告会の様子(2013年4月21日実施)

議会報告会の様子(2013年4月21日実施)

 これまでは“われわれ”というと、“会派”であったり、“思想の近い人たち”であったりした。しかし、これからは“われわれ”というと“議会全体”を示す言葉になるような議会にしたい。それは、二元代表制の基礎である、市長と議会が善政競争する単位となるからだ。

 これまでは、議員個人や会派がそれぞれ意見を受け入れてもらうために、“市長与党”なる集団を形成し二元代表制の機能は発揮されなかった。これは利益の分配が議会の仕事であった時代の構造である。しかし、今後はそうはいなかい。

 これからの議会は、会派を超えて議会一体となり政策提案をすることが必要になってくる。偏狭な会派主義を捨て、議論を尽くし結論を出す議会を創り出すことを議会改革で目指したい。

 それには、議員個人が“自分自身の在り方”にブレークスルーを起こすことから始めよう。

著者プロフィール
笹生 猛(さそう たけし):袖ケ浦市議会議員。1970年千葉県袖ケ浦市生まれ。半導体貿易会社、コンサルティング会社に勤務したのち、笹生定夫県議会議員の秘書として活動。2007年袖ケ浦市議会議員選挙に初当選。2011年に県議選(袖ケ浦市選挙区)への挑戦後、2012年4月から早稲田大学大学院に入学し、議会改革について研究中。同年10月の同市議会議員選挙で復活当選後は、大学院で理論を学び、議会の現場で実践するべく活動中。現在、同市議会改革特別委員会委員長。
ブログ:袖ケ浦市議会議員さそう猛の袖ケ浦刷新!
facebook:takeshi.saso.3
twitter:@saso_takeshi
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