喫煙者が最も「つらい」と感じるシチュエーションは? (2016/9/28 QLife)
多くの喫煙者は禁煙を検討するも、現実は…
「たばこ」に対する意識は、時代と共に変化しています。ひと昔前の刑事ドラマでは、たばこをくわえる刑事や灰皿いっぱいの吸い殻などがおなじみでしたが、今では喫煙シーンが多い番組には苦情が続出することもしばしば。受動喫煙の健康被害も認められ、肩身の狭い思いをしている愛煙家の方も多いでしょう。
ファイザー株式会社では、「喫煙に関する47都道府県調査2016」と題し、47都道府県の喫煙者4,700人を対象にアンケートを実施。その結果、喫煙者がつらいと感じるシチュエーションのトップは「喫煙所を探さないといけないとき」で、次が「狭い喫煙ブースでしか喫煙ができないとき」でした。喫煙者は不自由を感じながらも、たばこを吸い続けている現状がうかがえます。
一方、この1年間で禁煙に挑戦した人は約3割。男性24.1%、女性32.0%と、女性の方が禁煙願望が強いようです。「何があっても禁煙しない」という人は8.5%とわずかで、喫煙者の多くが「いつかは禁煙したい」と思っていることもわかりました。禁煙に挑戦しなかった喫煙者に理由を尋ねると、「いらいらしてしまうから」という回答が最も多く、挑戦する前から、いらいらしてしまうことを懸念して禁煙に踏み出せないという“ジレンマ”があるようです。
禁煙を考える目安は「1箱500円」
やめたくてもなかなかやめられない―。そんな喫煙者たちが禁煙を考えるきっかけとなるのは何なのでしょうか。今回の調査では、半数近くの喫煙者が「さらにたばこの値段が上がれば禁煙する」と回答しています。普段吸っているたばこの価格は、1箱420円が最も多く、440円、460円と続いていますが、「いくらになれば禁煙するか」という質問には、「500円ぐらい」と答えた人が最も多く、「1箱500円」が、禁煙に踏み切る目安の1つとなるようです。
また、「保険が適用されるならば、禁煙治療を受けたい」と思っている人は、男性45.0%、女性47.2%で、ほぼ半数が医療機関を受診して禁煙をしたいと考えていることもわかりました。ちなみに医療機関での禁煙治療は一定の条件を満たせば、健康保険の適用が可能です。8~12週間の治療を受けた場合、13,000~20,000円の医療費で済ませることができるようです。医療機関へ行くのはちょっと…と二の足を踏む方もいるかもしれませんが、本気で禁煙したい人には心強い味方になってくれるでしょう。
今回の調査結果について、日本禁煙学会理事長の作田学先生は「禁煙意欲がありながらも、いらいらしてしまうなどの理由からなかなか禁煙できないのは、ニコチン依存症という病気が原因です。依存症が形成されると、自分の意志のみでの解決には困難なことがあるので、より確実に禁煙を成功させるためにも、禁煙治療を受けることをお勧めしたいと思います」などとコメントを寄せています。(菊地 香織)
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