なぜ先入観や常識にとらわれると発想が詰まるのか… (2018/8/16 瓦版)
変人・安田の境目コラム
解釈を変えることで生まれ変わる事業や商品
私は今、バリュースイッチというサービスをやっています。新商品の開発や新規事業の立ち上げをお手伝いするサービスです。開発とは言っても、商品をゼロから作る訳ではありません。今ある商品やサービスに、新しい解釈を付け加える。それが私の役割です。
解釈を変えることによって、事業や商品は新しく生まれ変わります。つまり新商品や新事業の誕生。それは同時に、新しい顧客と新しいマーケットを生み出すのです。
物事の解釈を変える。それは私の特技とも言えます。人にはどうしても、その経験なりの先入観や常識というものがあります。それが見方を固定してしまうのです。
私の場合、都合のいいことにその資質というか、欠点というか、まあ適性が備わっていた訳です。たとえば次のようなこと。とても非常識であること。物忘れがひどいこと。性格がひねくれていること。物事の見方がズレていること…。
どんなに人にもふさわしい役割がある
正直、このような性質が、世の中の役に立つとは思いませんでした。どんな人にも役割はあるのだなあと、私は自分を見ていて、そう思います。
私はひねくれているので、素直に受け止めることが出来ません。この業界は変わらない、とか。広告に頼る以外にない、とか。顧客は絶対に安い方を選ぶ、とか。そんなセリフを聞くと、ふつふつと反逆心が湧いてきます。ようし、それなら変えてみせよう。と、スイッチが入ってしまうのです。
私はもう3年近く、このバリュースイッチをやっています。そして50年もの間、このひねくれた人生を生きています。
その私が断言できること。それは、答えは必ずある、ということ。飛行機が飛んでいることも、パンダが実在していることも、小学生がスマホ持っていることも、今では当たり前の事実。
でもちょっと前までは、そんな事実は存在しなかったのです。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ)は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。
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