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世界の面白い副業:Uberって、どうなの? (2017/9/7 nomad journal

女性ソフトウェアエンジニアのセクハラ告発から始まった一連のスキャンダルに揺れるUber。先日ようやく新CEOが決まり、会社立て直しに向けての再スタートを切りました。渦中の中にあるUberですが、最近のアメリカで副業と言えば、真っ先にUberを思い浮かべる人が多いでしょう。今回はUberについて書いてみます。

Uber

Uberの課金の仕組み

まず、Uberの課金の仕組みを説明しましょう。Uberの料金は都市によって違いますが、例えばシカゴの場合を例にとります。シカゴの有名なシアーズタワーからネイビーピアまでUberを使うと、移動距離2.3マイル(約3.68㎞)を15分で移動する事となり、基本料金1.7ドルに時間チャージ1分あたり20セントとマイルチャージ1マイルあたり90セントが加えられます。この例ですと合計で14ドル(約1,540円)となり、利用者のUberアカウントに登録されたクレジットカードで決済されます。

この金額からUberがブッキングフィー1.2ドルを控除し、控除後の額の20%の手数料を更に控除します。上の例ですと14 – 1.2 -(12.8X0.2)= 10.24 となります。これがドライバーの取り分です。

Uberの料金は都市によってバラツキがあり、最も稼げるニューヨークの平均ライド単価29.34ドルから最低のナッシュビルの平均10.14ドルと、19.2ドルもの差があります。基本的にはボストン、シアトル、サンフランシスコなどの都市部を中心に平均ライド単価14ドル程度は稼げるようです。

特殊需要に合わせて賢く稼ぐ

Uberのドライバーとして仕事を始めるのは簡単です。車とスマートフォンがあればいつでも誰でも始められます。ルイス・アシュナーさんはルイジアナ州立大学へ通う傍らUberドライバーの仕事をしています。アメリカではアメリカンフットボールの人気が凄まじく、大学間で争われるカレッジフットボールがプロリーグに劣らぬ人気があります。ルイスさんが通うルイジアナ州立大学のフットボールチームは全米屈指の強豪で、シーズン中の毎週土曜日、大学敷地内にある専用スタジアムには10万人以上もの人が訪れます。

ルイスさんはフットボールの試合が終わるのを待ち、Uberの仕事を次々に獲っています。ひっきりなしにやって来るUberの仕事に対応し、相当のお金を稼いでいるそうです。Uberドライバーとして仕事をするのであれば、単に街中で仕事が来るのを待つのではなく、ルイスさんのようにスポーツイベントなどの特殊需要に合わせて仕事を獲りに行くのが賢いやり方です。

Uberを利用しているのは誰か?

ところで、車社会のアメリカで、一体誰がUberを利用しているのでしょうか?まず考えられるのは旅行者です。アメリカでは飛行機とレンタカーの組み合わせが旅行の定番ですが、ニューヨークやサンフランシスコのような比較的人口密度が高い都市ではレンタカーが嫌われる傾向にあります。駐車場の利用料もべら棒に高く、また移動するごとに駐車場を探すのも大変です(サンフランシスコなどでは悪夢でしょう)。そんな旅行者にとって、Uberは非常に有難いサービスです。

また、地方出身の大学生や、運転免許を持っていない学生などもUberのヘビーユーザーでしょう。地方出身の大学生は大学の寮で暮らす人が少なくなく、移動手段は歩きか自転車位です。週末に街中へ遊びに行く時などUberは大変便利でしょう。運転免許を持っていない学生も同様です。今年の夏休み、高校二年生の私の息子がカリフォルニアの知人の家にホームステイに行きましたが、現地での主たる移動手段はUberでした。Uberを使ってみてどうだったとたずねると、頼むとすぐ来てくれて、しかもドライバーさんが全員親切なのでとても良かった、と答えていました。

いずれにせよ、ドライバーにとっても、利用者にとっても、Uberは今や暮らしの一部となったようです。特にドライバーにとっては、副業でやるにせよ、本業でやるにせよ、Uberは確実に稼がせてくれる存在になったようです。

参考サイト
http://articles.bplans.com/business-ideas/small-business-ideas/side-business-ideas/
https://www.ridester.com/how-much-do-uber-drivers-make/
http://www.pewinternet.org/2016/05/19/on-demand-ride-hailing-apps/

記事制作:
ジャパンコンサルティング合同会社
代表 前田健二

提供:nomad journal

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