晩婚化や出産の高齢化で老後破産? 老後資金を準備する心構えとは? (2017/6/9 JIJICO)
自分の家庭に合った資金計画を立て「見える化」する
近年、晩婚化やそれに伴う出産の高齢化で、将来の資金計画に不安を抱えている人も少なくありません。人生の3大資金である、「住宅・教育・老後」と生きていく上で当然ですがお金がかかります。
この中でも住宅や教育は、職業や家庭環境また価値観などで変わってくるので、人それぞれというところもありますが、老後資金においては、万が一なければ誰でも老後をむかえますので、やはり早い時期からの計画的な準備と行動が必要になってきます。
この人生3大資金の中で、老後資金だけはローンがありませんので、計画的に準備しないと最悪は、「老後破産」になるかもしれません。
資金計画とは、収支のバランスをみて数字を紙に落としこむ作業で、家計簿をつけている方は、月単位で資金管理を行っているともいえます。家族の年齢、お子様の学校入学などイベント事、自動車や電化製品の買い替え、家族旅行に趣味まで、今からの人生でのイベントを思いつくまで上げて、時期も明確にしていきます。企業でいえば中期・長期経営目標を立てることと同じです。そうすることで前もって、将来の資金計画があれば事前に準備する方法や対策を考えることが容易になるので、安心した老後の生活ができるようにまずは、資金計画を立ててもらいたいです。
結果的に、現状の把握をすれば緻密な計画を立てやすくなり、立てた資金計画で将来の夢の実現が可能になると思います。
資産運用の前に資産形成を
資金計画を立てれば、実行していくことになりますが、特に老後資金は、住宅や教育資金に比べ先の資金なので、どうしても後回しになりがちで、実際は何も対策ができていない方もいます。そのような方には、資産運用の前の資産形成が大事になってきます。毎月強制的にお金を積み立てる仕組みが重要なのです。
例えば、会社の財形貯蓄や個人型確定拠出年金(iDeCo)などを使って、積立てを行うやり方です。今みたいに低金利だと、「お金に働かせましょう!」ということで資本所得も大事ですが、まずは労働収入から確実に減らないような資産形成をやることが先決ではないでしょうか?
実際私がコンサルをしている中で、「金融機関から運用商品を勧められ、投資信託を購入しましたが、実は目減りしていて、困っています!」というような話を聞きますが、余裕資金の一部ならまだいいかもしれませんが、ファイナンシャル・プランナー(FP)として、老後の経済的な不安を少しでも軽減しようということで行動することはいいのですが、やり方と選択が違っていたと言わざるを得ません。
毎月のコツコツ積立てる「フロー積立て」とある程度一定の余裕資金での運用の「ストック運用」は切り離して考えた方が賢明です。
家族での話し合いも重要
老後資金は、確かに必要な資金で、すべての人に共通する要素です。ただ、晩婚化や出産での高齢化で、自分の収入が減ってきた時期にお子様の教育資金がかさんだり、健康上の事由で高額な医療費がかかったり、さらには、両親の介護で出費が重なったりと年齢的には色々な出費が多くなります。思わぬ出費がかさなれば、精神的にもつらく、楽しくありません。ですから、「老後資金はいくら必要」とか金額に左右されず、自分なりのお金に対しての定義を家族で話し合い共有しておくことが大事だと思うのです。
お金は生活するための手段ですから、あったことに越したことないですが、人それぞれ価値観によっての「幸福の定義」は異なります。老後は、田舎でのんびり自家菜園をしながら暮らすなど、なるべくお金をかけないようにして生活をすることも可能でしょう。
資金計画をつくって、数字の確認をすると同時に老後の生き方をどうしたいか? という想いの確認「数字と想い」両方の確認をお子様も一緒になって話し合い、共有できたら、その時点ですでに幸せを感じるのではないでしょうか?
- 著者プロフィール
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末次 祐治/ファイナンシャルプランナー
くるみ企画
・ 個人のファイナンシャルプランニング・コンサルティング業務(ライフプラン・保険・住宅ローン・年金・教育資金の相談) ・ マネーセミナー講師(月1回開催) ・ 個人型確定拠出年金(イデコ)の導入、フォローのコンサルティング業務 ・ 企業型確定拠出年金の導入企業における従業員向けセミナー講師(一部上場企業他) 1997年 福岡大学商学部第二部商学科卒業後、旅行会社に就職 2001年 メットライフ生命(アリコジャパン)に転職 2014年 ファイナンシャルプランナーとして独立 2016年 確定拠出年金相談ねっとに参加
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