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職場に多様性を浸透させるために必要な3大要素とは (2017/2/7 瓦版

個を大切にする時代に必要なこと

働き方が過渡期を迎える中で、重要なキーワードの一つに「多様性」がある。様々なタイプの人材が、それぞれの個性を存分に発揮しつつ、最終的には相乗効果を伴いながら、組織としてのアウトプットをキッチリと出す。まさに理想的な組織のカタチだが、これまでの日本の働き方の常識に捉われていては、その実現は極めて困難だ。

第三回グッド・アクション表彰式

統制と自立。相反する指揮系統の仕組みの狭間で、各企業は、働き方改革に悪戦苦闘している。かつてなら、権限や暗黙のルールで押さえつけていたような社員各自の事情を、いまはしっかりと受け止めながら、気持ちよく働いてもらうことへ転換することが成長するための経営に求められる要諦だからだ。

第三回グッド・アクションで披露された職場活性化事例

2017年2月7日、三回目を迎えたグッド・アクション(主催:リクルートキャリアの転職情報サイト「リクナビNEXT」)の開催会場には、まさにこの難題に向き合い、良好な結果につなげている企業が一堂に会した。同イベントの審査員を務める一橋大学大学院商学研究科教授の守島基博氏は、「社員を大切にするということは昔から言われてきた。いまも変わらないが、社員を『個』として大切にすることが求められている」と話したが、まさにその通りだろう。

第三回グッド・アクション受賞企業と取り組み

第三回グッド・アクション受賞企業と取り組み

分かりやすい事例は、フォルシアの3C評価制度。全員で全員の賞与を決める制度で、個の尊重とは相反するようだが、結果的に個々の評価がどうやって成り立っているのかを知ることで、個人としての貢献を意識するようになるという。統制と自立の矛盾を見事にクリアし、実績につなげた好例と言えるだろう。

シグナルトークのFreeWorking制度は、ストレートに個を尊重している。各社員が、自身の状況に応じ、雇用形態を自在に選択できるもので、まさに柔軟な働き方を実現している。きっかけが、社員の声という点もポイントで、自立を促す制度が上からの指示では、どんなにすぐれていても浸透は難しい。風通しの悪い企業がいきなり導入しても壁にぶち当たる可能性があるかもしれない。

個人の活躍を重視する方法論として注目の取り組みは、セプテーニ・ホールディングスの科学的人材育成だ。社員の経歴や研修データなどを膨大に取り込み、“人材育成エンジン”で処理。採用や社内適応、戦力化などへ活用する。定性的に判断されがちな「相性」を定量化し、エビデンスに基づいた納得感のある配置を実現。社員の活性化につなげている。AI時代の到来で、こうした取り組みが今後、急拡大するかもしれない。

難解経営時代ゆえの働き方改革という視点も重要

その他にも、社員が気軽に楽しみながら参加できる仕組みで個々の社員が自発的に組織に溶け込み、やりがいを見いだせる取り組みがズラリ揃う表彰式となった。リクナビNEXT編集長の藤井薫氏は講評として「昨今は働き方改革が推進されているが、未来の働き方をつくる主役は現場で働く個人。その舞台となる職場は生き物。止まると急にイキイキしなくなる。大事なことは一度止まって振り返ること。そうすることで分かってくる」と話し、職場での“グッド・アクション”実行のポイントを解説した。

第三回グッド・アクション

多様性=個の尊重。確かにその通りだが、最低限の制約はある。それは会社が進む方向へのコミットであり、間接・直接問わず、売り上げへの貢献だ。大量生産大量消費時代が終わったいま、経営における成功法則がリセットされ、経営のかじ取りはますます困難になっている。だからこそ、社員個々が潜在力を存分に発揮する、主体性に富む職場づくりが求められる。その解は百社百様だが、受賞企業の事例のようにアクションを起こすことでしか、糸口を見いだせないことは確かだろう。

提供:瓦版

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