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天童市と明治大学との連携による「域学連携」! 地方と大学が協力 (2016/12/26 nezas)

関連ワード : 地方創生 大学生 天童市 山形 

明治大学は、山形県天童市と2010年に連携協定である「域学連携」を締結しました。天童市は、明治大学の創設者の一人である宮城浩蔵の出身地です。天童市の文化や自然、生産物と大学の知的資産や人材を活用し、交流することで地域の振興と相互発展を図っています。

首都圏の教育機関と地方との連携は、地域創生の後押しにもなると注目されている取り組みです。今回はその具体的な事業内容を紹介します。

キャンパス

学生を天童市に派遣しフィールドワーク

域学連携とは、大学生や大学教員が地域の現場に入り、地域づくりや問題解決、人材育成などに取り組む活動のことです。

明治大学は域学連携のなかで学生を天童市に派遣し、市が抱えている課題や取り組んでいる問題に対し、現地視察や取材などフィールドワークを通して解決策の政策提言を行っています。

課題は、たとえば「人口減少の克服」や「移住定住の拡大」など、社会問題にもなっているようなテーマが多く、大学側としては学生が実際の市政に参画できる貴重な機会となっています。

天童市には「ふるさと応援寄付てんどう」という寄付制度がありましたが、寄付件数が伸び悩んでいました。学生たちはこの問題に着目し、市外の“天童ファン”を増やす施策を企画しました。その施策として「ふるさと納税」を提案し、寄付者に地元特産品を贈呈するなど、参加者拡大を目指したのです。

学生は天童市で地方の活性化をテーマに、現地調査や住民・行政関係者らとディスカッションを実施します。その調査結果をまとめ、市長への政策提言とした「ふるさと納税」政策が「ふるさと応援寄付」として採択され、実際に募集が行われました。募集開始早々から想定以上に寄付の申し込みがあり、天童市側も学生企画に手応えを感じたとしています。

キャンパス内では特産品をPR、現地では公開講座や生涯学習プログラムを実施

もちろん大学内でもPR活動が行われています。特産品の認知と消費拡大の一環として大学内で他の創立者の出身地と合同で「食のフェア」を開催しました。この食のフェアでは、天童牛や吉川なす、芋煮やはえぬきなど、ご当地特産品を使った学食メニューを展開しています。その他にも、オープンキャンパス開催日に「天童フェア」としてブースを出展するなど、特産品の販売やPRを行っています。

天童市では、明治大学の教授や関係者を招き、講演や実技講座を実施しています。たとえば箱根駅伝でも活躍する明治大学の駅伝チームの監督などによるスポーツ講座や、商学部教授によるビジネス視点で農業経営を学ぶ講座などがあります。

また地方産業活性化に向けて、地元の企業や起業家などを対象に経営や経済を学ぶ講座も開催しています。「てんどう笑顔塾」「てんどう未来塾」という、長期間継続して行う生涯学習プログラムもあります。この生涯学習プログラムでは、行政やNPOでの市民との協働事例から地域づくりを担うリーダーの役割や意義などを学習し、地方振興や地方産業活性化のための人材育成など、活動計画策定を通してより具体的に学びます。

これからますます広がる「域学連携」の動き

明治大学では、天童市だけでなく他の創立者の出身地である鳥取県、福井県鯖江市とも連携協力協定を締結し、さまざまな連携事業を展開しています。

最近は国家政策としても大学と地方が連携して社会的課題を解決する「域学連携」に力を入れています。学生や教員が地方の現場に入り、住民やNPOなどとともに、課題解決に向けて継続的に取り組み、地方活性化につなげる活動は、大学の新たな役割でもあるといえるでしょう。

また、都会の若者に地方への理解を促して地方で活躍する人材として育成することは、東京の一極集中を緩和して地方創生につながるのではないかと期待されています。地方および大学双方にメリットがあると考えられているのです。

今後、各大学や各地方が有益な「域学連携」を実現するため、明治大学のような連携事例の収集、整理、そのノウハウの構築などが求められています。

提供:nezas

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