ナイジェリアでスマートフォンとアプリを使った汚職防止策が効果 (2016/10/19 The Povertist)
ナイジェリアの運送業者はチェックポイントでたびたび止められることに悩んでいる。こうしたチェックポイントの多くは、違法に設置され、ドライバーから違法に現金を徴収する。ドイツの援助機関GIZの2012年の調査によれば、運送業者の約60%が、一度の輸送で3~5回の違法なチェックポイントを通過している。違法に徴収される料金は一日の稼ぎを超えることもあるが、断ると暴力の脅威にさらされるという。
こうした状況に対応すべく開発されたのが、スマートフォンアプリ『Trade Route Incident Mapping System(TRIMS)』。アプリを通じて、運送業者は匿名でこうした違法行為を報告することができる。送信された情報は、TRIMSのシステムで一元管理され、誰もが地図上で確認することができるようになる。
2014年に始まったこのプロジェクト。既に2,000件以上の事案が報告されている。アプリを通じて情報が拡散されるため、汚職防止へ向けた注意喚起が期待できるという。
情報通信技術(ICT)を活用した汚職防止策にますます注目が集まりそうだ。
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Author: Ippei Tsuruga
The Povertist編集長。国際協力機構(JICA)を経て、国際労働機関(ILO)社会保障政策担当官。開発途上国の貧困問題と貧困層向け社会政策のスペシャリスト。
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