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がんの治療方法に応じてがん保険も変化 がん保険はどのように選べば良いか? (2016/6/23 JIJICO

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治る病気になったがんだが治療には高額の費用がかかる

「2人に1人はがんにかかる」「3人に1人の死因はがん」等、現代の病気として広く知られる「がん」。以前は死亡する確率が高い病気でしたが、医療技術の進歩などにより、5年後生存率も高まりました。その一方、治療に多くのお金がかかるのも事実。有名人のがん罹患のニュースにより、注目される「がん保険」ですが、その選び方の方法をFPが解説します。

医療

従来のがん保険の治療費の保障は以下の4本柱で構成されています(保険会社、保険商品により呼称や給付事由等は異なります)。
●がん診断給付金 がんと診断確定された場合
●がん入院給付金 がんの治療のため入院した場合
●がん通院給付金 がんの治療のため通院した場合
●がん手術給付金 がんの治療のための手術を受けた場合

まとまった治療資金を手当てできる診断給付金

がん保険にあり、医療保険にないのが「診断給付金」。健康保険等の公的医療保険の保険適用部分であれば、高額療養費制度等により自己負担費用をかなり抑えることができますが、保険が適用されない薬や治療方法を選択した場合は対象外。その費用に手当てするために役立つのが診断給付金です。

100万円、200万円など、まとまった給付金が支払われるため、がんの治療に対する経済的な心配を和らげることが期待されます。なお、診断給付金は「1回のみ支払われるタイプ」と「一定要件のもと何度でも支払われるタイプ」があります。

今後は「入院」よりも「通院」

多くの医療保険は1入院あたりの入院給付金の支払日数には限度が設けられていますが、がん保険の入院給付金は、通常1日目から支払われ、その日数にも限度がありません。つまり、長期入院した場合の「治療費や差額ベッド代」等に備えるためには、医療保険よりも安心できます。ただし、最近は、入院日数短縮化の傾向が強く、がん治療も例外ではありません。今後は、長期入院の備えよりも、通院治療の備えを充実するほうが、時代の流れにあっているといえます。

「外科手術」以外の治療方法への備えも

従来のがん保険は、がんの治療のための手術をした場合に「手術給付金」を支給するものが主流でしたが、最近は、抗がん剤治療や放射線治療等、外科手術以外の治療方法を選択するケースも多く、それに合わせてがん保険も変化しています。

当然のことながら、抗がん剤治療や放射線治療を選択し、外科手術を選択しない場合、手術給付金は支払われません。抗がん剤治療や放射線治療の費用を「診断給付金で手当てする」という考え方もありますが、最近のがん保険では「抗がん剤治療給付金」「放射線治療給付金」を支払う特約や「手術・抗がん剤治療・放射線治療」を受けた場合に「治療支援給付金」を支払うものもあります。

睡眠、食事、運動、ストレス、お酒、タバコ。生活習慣病にならないために、よく言われる「6要素」。メタボ検診の結果を受け、医師の助言に基づき健康的に痩せることで、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病等の生活習慣病のリスクを下げることができても、がんに対する不安は依然として残ります。

がん保険はがんに特化して備える保険ですので、ガン以外の治療費に備えることはできません。「医療保険とがん保険を併用する」「がんも含めて医療保険で手当てする」「がん保険で診断給付金を受給し、不足分は貯蓄を取り崩す」など、備えたいリスクと家計状況に応じて、「保険料」と「保障」のバランスを考えて、将来のリスクに備えてください。

提供:JIJICO

著者プロフィール
益山真一益山 真一/ファイナンシャルプランナー
ベターライフ提案室インタレスト
ファイナンシャルプランナーとして「3大資金(住宅・教育・老後)の準備」「備える(保険・防災)」「家計の見直し」「社会保険・税制の効果的活用」を、経済面・メンタル面からセミナー・執筆により発信。セミナーは累計2043回を数える。
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