震災から5年、福島はどう変わったのか。アニメで見る東北の「光と影」 (2016/1/13 ジモトのココロ)
東日本大震災から今年で5年が経とうとしています。そんな中福島県では、震災後の県内に存在する様々な思いを伝えるため、実話に基づいたドキュメンタリーアニメーションを制作する『みらいへの手紙~この道の途中から~』プロジェクトが進行しています。
福島県出身のクリエイターがタッグを組んだ
『みらいへの手紙~この道の途中から~』プロジェクトでは、福島県郡山市出身のクリエイティブディレクター・箭内道彦(やないみちひこ)氏と福島ガイナックス代表取締役・浅尾芳宣氏によるタッグが組まれました。
箭内氏はタワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」やリクルート「ゼクシィ」など、数々の話題の広告を手掛ける一方で、創刊から100号を数えるフリーペーパー「月刊 風とロック」の代表を務めるなど、幅広い活動を手掛ける敏腕ディレクターです。
今回、福島県の現状とこれから描く未来について、世代や国境を越えて直感的に伝えるために、アニメーションの手法が選ばれました。そこで福島県を拠点にアニメーション制作を手掛ける福島ガイナックスが加わり、代表取締役であり福島県出身の浅尾氏の思いとともにアニメーションの中で、実話に基づくストーリーが展開されます。
ふくしまの「光と影」を2分間の物語に
今年1月に行われた制作発表会では、内堀雅雄福島県知事から東日本大震災から、5年が経とうとする現在の福島にある「光と影」の両面を伝えるというコンセプトも発表されました。5年の月日の中で、福島県には確実に復興の光が見えています。しかし一方で、未だ10万人が避難生活を続けている現状があり、風評被害に悩まされる農家の方々の苦悩があり、そして悲惨な震災の記憶が次第に風化されてきている影の姿もあります。
福島県に存在するたくさんの「光と影」を描くこのアニメーションは、「現状だけでなく未来へ向けて伝えていこう」、そして「まだ福島の復興は道半ばである」という気持ちを込めて、『みらいへの手紙~この道の途中から~』とネーミングされました。
10本制作されるストーリーはおよそ2分の短いストーリ。しかしそこに詰まっているのは、紛れもなく福島で起こった事実が元になっています。県内の人だけでなく、日本全国に向けて福島の今と未来を知ってもらうための物語は、2016年2月半ばに秋葉原で試写会を行った後、全国に展開される予定です。イベントの様子や制作にまつわるエピソードなど、公式サイト(http://miraitegami.jp/)にて順次公開されていくそうです。
福島県民がつくる、福島の現状と未来のかたちがどう描かれていくのか楽しみですね。