【衆議院議員選挙2014】
無関心がもたらす自分たちの将来~「選挙へGO!!」の活動を通して (2014/12/11 学生団体「選挙へGO!!」副代表 松山賢二)
若者の低投票率が叫ばれて久しいですが、有効な手立てがないまま選挙が繰り返されています。当事者である20代の若者は、このことをどう感じているのでしょうか。若者の選挙投票率を向上させることを目的に青森県で活動する学生団体「選挙へGO!!」副代表の松山賢二さんに寄稿いただきました。
若者の低投票率がもたらす将来
今、投票率はとても低い状況にあります。2012年に行われた第23回参議院議員通常選挙では全国平均が52.61%と、2人に1人しか投票していません。特に、私の住む青森県では46.25%で全国最下位という状況でした。若者の投票率においても、青森県の20~24歳の投票率は25.88%と全世代の中で一番低く、2人に1人どころか、投票しているのは4人に1人という状況になっています。一番投票率の高い70~74歳は61.46%なので、若者はお年寄りの半数以下の人しか選挙に参加していないのです。
この様な状況で、政治家が投票率の高いお年寄り世代に対して政策を打つことは自然なことであると思います。自身が当選する可能性を高めるためには、その方が効果的であるからです。しかし、若者向けの政策が少なくなると、その分若者の政治的関心もさらに薄れ、ますます投票率の低下に繋がってしまう悪循環が起こっています。この状況が続くと、私たち若者に残るのはその政策のために作られた借金であり、自分たちとその子どもたちのために使われるお金や政策も、さらに少なくなってしまいます。地方分権が推進される中で、地域の将来を担うのは私たち若者です。地元との繋がりや関心を高めるためにも、少しでも若者の投票率を向上させ、その政治意識を高めていくことが重要であると思います。
政治と若者をつなぐ
学生団体「選挙へGO!!」は、若者の選挙投票率を向上させることを目的として、2010年の6月に青森県で設立し活動しています。若者は、私自身もそうだったのですが、政治家と聞くと何をしていて、どんな人なのか分からず、遠い雲の上のような存在というイメージを持っていることがほとんどだと思います。そういったイメージを持っていれば、中々政治に関心を持つことができず、傍観者となって投票にも結びついていかないことは当然であると思います。このイメージを変えていくには、まずは政治と若者の距離を縮めていく必要があると考えています。
私たちは、2014年度、(1)政治家と学生の「居酒屋トーク」、(2)ネット版政見動画サイト「政治家tube」、(3)選挙時の「未成年模擬選挙」の実施などの活動を行ってきました。中でも私たちの活動は、政治家と学生の「居酒屋トーク」から始まりました。東京都の「学生団体ivote(アイヴォート)」が行っていた各党国会議員と学生との飲み会を行う「居酒屋ivote」を参考に、地方の青森県でも、地方議員と学生の居酒屋トークを行えないかと考え、実行しました。居酒屋トークとは、政治家と学生が居酒屋というリラックスできる環境でざっくばらんな話をするという企画です。政治家が雲の上の存在という意識を、若者が身近に感じるものに変え、政治に関して興味関心をもってもらうことを目的としています。
ネット版政見動画サイト「政治家tube」
学生団体「選挙へGO!!」の取り組みの一つに、「政治家tube」というものがあります。この取り組みは、インターネット上で政治家の政見動画を配信して、若者を中心とした市民への情報発信を行う企画で、2012年6月1日に始まりました。若い世代にとって、インターネットは最も身近な情報入手のツールです。政治家動画からは、マニフェスト(政策)だけでなく、その人の顔つきや身振り手振り等から、人柄やマニフェストに対する熱意が伝わってきます。政治情報サイト「政治山」の皆様にご協力をいただき、特設ページにて配信中ですので、ぜひご覧になっていただければと思います。
最近では、全国の学生団体で、若者と政治をつなげる様々な取り組みが行われています。私たちの様な地方の学生であっても、問題意識を持つことで、行動を起こすことができます。自分たちの将来のためにも、まずは私たち若者が自ら動いていくことが大切だと思っています。
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