【衆議院議員選挙2014】
衆議院選挙初のネット選挙、候補者のネット活用紹介 (2014/12/10 株式会社ワカゾウ コミュニケーションプランナー 伊藤和徳)
昨年の参議院議員選挙から解禁され話題となったネット選挙。12月14日投開票された衆議院議員選挙はネット選挙解禁後、初の衆院選でした。各政党のWEBページは、特設サイトや動画企画などが立ち上がっていましたが、候補者のネット選挙に対する取り組みはどうだったでしょうか。候補者のWEBサイトから特徴のある事例を幾つか紹介します。
百瀬智之(長野2区・維新の党)候補のWEBページは有権者に人物像を知ってもらうための工夫がされています。WEBページの「知る-少年M」というメニューを選ぶとイラスト付きの少年Mの話があり、百瀬候補の少年時代からのストーリーが描かれていてとっても読みやすい作りになっています。
ランディングページ(LP)を活用する候補者も増えてきました。ランディングページとは目的別に用意された最初に見てもらいたい情報があるページです。杉田水脈(兵庫6区・次世代の党)候補の公式サイトは、トップに衆議院選挙用のLPが表示されます。上部にプレゼン動画とスクロール部分に高解像度イメージを配置しており、人物イメージが分かりやすくなっています。
中野洋昌(兵庫8区・公明党)候補もLPを用意していると同時に、本サイトではパララックス(視差効果)やコンテンツ内容に合わせた画像を使ったタイルデザインを活用し、画像イメージによる存在感で、若さと力強さをPRしています。
スマートフォン(スマホ)で見やすいサイトを心掛けている候補も増えてきています。青木愛(東京12区・生活の党)候補のサイトはボタンが大きく作成されており、スマホでも視認性と操作性が高く作られています。
データ公開に工夫をしている塩川鉄也(比例北関東ブロック・共産党)候補のWEBサイトは、政策別に活動日記や国会質問が整理されています。さらに、北関東ブロックにおける各候補者の発言データベースページがあり、有権者が見ても問題意識や発信内容を理解しやすい構成になっています。
動画で問題意識を共有する工夫を行っているのは小川淳也(香川1区・民主党)候補。WEBのトップページから見ることができる動画「90秒でわかる日本が直面する課題」は動画内でインフォグラフィックスが多用されており、データを把握しやすく作られています。本人の映像ではなく、データをアニメーションで説明している点は非常に面白い取り組みです。
動画といえば街頭演説を生配信する候補者も増えてきました。三谷英弘(東京5区・無所属)候補もSNSで視聴者を集めながらUSTREAMで積極的な配信を行っています。無所属でもICTを活用して選挙戦を戦うことができればネット選挙の良い事例となりえます。
福田峰之(神奈川8区・自民党)候補も動画を積極的に活用している一人です。サイトトップにはネットによる情報発信をする意気込みが掲げられ、公示日から密着生配信を実施し、22時からは毎日政策討論をネット番組で行っています。政策討論番組内では本人の言葉だけではなく、街で収録してきた一般の方々のインタビューも流しており、ICTを活用してコミュニケーションを取る姿勢が分かります。
有権者の皆様はネット選挙解禁を契機に、大手メディアの情報と合わせて候補者のWEBサイトで情報収集することが可能になりました。今後も、さまざまな角度から候補者を見て選挙に行きましょう。
- 【取材協力】
株式会社ワカゾウ コミュニケーションプランナー 伊藤和徳
1984年3月生まれ30歳。学習院大学政治学科卒業。大学卒業後、衆議院議員秘書を経て、2010年7月に株式会社ワカゾウを仲間と設立。
現職: 株式会社ワカゾウ コミュニケーションプランナー。ワカゾウコミュニケーション(http://pr-design.jp/)運営者。
受賞歴など: 2013年PRアワードグランプリ ソーシャルコミュニケーション部門 最優秀賞受賞、第6回マニフェスト大賞 コミュニケーション部門 最優秀賞受賞
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