海外にも広がる「センキョ割」が統一地方選挙に向けて始動 (2014/9/5 政治山)
横浜市を中心とした商店街と連携し、若者の投票率向上を狙ったイベント「センキョ割」。2012年衆議院選挙から始まり、海外にも広がったこのイベントが、来年の統一地方選挙に向けて動き出しました。イベントの仕掛人である株式会社ワカゾウの伊藤和徳さんにインタビューしました。
――センキョ割の目的について教えてください。
「選挙に行かなきゃとは思っているけど、きっかけが掴めない人のために、投票に行ったらお得なサービスが受けられるという企画です。若者の社会参加と投票率向上、選挙での地域活性、そして、最終的には選挙が今よりもっと活気のあるイベントになればと願って運営しております」
――海外でも実績があると聞きましたが、きっかけを教えてください。
「これまでセンキョ割は2012年衆議院選挙をはじめ、2013年参議院選挙とその後の各種首長選挙等で行ってきました。今年は5月に行われたEU議会議員選挙でもドイツとルーマニアの若者と共働でセンキョ割を実施しました。
EUでは若年層の就職先が不足し、かつてないほど若者の政治意識が高まってきてはいますが、EU議会議員選挙はまだ各国で馴染みが無く、投票率も43.09%と極めて低い傾向にあります。ドイツからきた留学生が2013年に行われたセンキョ割を見て、自国でも取り組みたいという事でドイツで開催し、そのはずみでルーマニアでも行われることになりました。
今後、ドイツやルーマニアでも継続していきたいという嬉しい反応と、フランスでも次の選挙でセンキョ割をやりたいという話をいただきました。日本の政治啓発運動がまさかヨーロッパまで広がっていくとは思ってもいませんでした」
――統一地方選挙に向けての準備はいかがでしょうか。
「統一地方選挙まであと半年となりました。各地の候補予定者はこれから選挙準備の本番になります。センキョ割も来年4月に向けて準備も本格化してきました。6月ごろから横浜市内の商店街の皆様や選挙管理委員会や候補予定者の方々とお話をさせていただき、選挙を混乱させるようなことが無いように準備を進めています。投票したらサービスを受けられるという仕組みは、民間だからこそ許される企画です。その分、運営には最大限の注意を払わなければなりません」
――今回からクラウドファンディングを利用した理由を教えてください。
「昨年の参議院選挙から各種地方選挙や、今年5月末のEU議会議員選挙において実績を積み上げたおかげで認知度が向上しました。しかし、毎回弊社の費用負担による社会貢献活動であるため、資金が無くなりつつあり、来年の統一地方選挙での実施が難しい状況になってきました。そのため、9月1日よりクラウドファンディングを活用して協力を呼びかけています。皆様、どうかワカゾウの取り組みにご理解とご協力をいただければ幸いです」
詳細:「若者の政治参加はサービス以上の価値がある」【センキョ割クラウドファンディング】
- 【取材協力】
株式会社ワカゾウ コミュニケーションプランナー 伊藤和徳
1984年3月生まれ30歳。学習院大学政治学科卒業。大学卒業後、衆議院議員秘書を経て、2010年7月に株式会社ワカゾウを仲間と設立。
現職: 株式会社ワカゾウ コミュニケーションプランナー
受賞歴など: 2013年PRアワードグランプリ ソーシャルコミュニケーション部門 最優秀賞受賞、第6回マニフェスト大賞 コミュニケーション部門 最優秀賞受賞
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