イベントニュース
政治山調査をもとにネット選挙解禁の影響と課題を発表 (2013/9/2 政治山)
「ネット選挙解禁」の成果と、今後の政治家のネット活用について議論するセミナー「ネット選挙をいかに活用していくか?~2013参院選の活用事例における成果と課題~」が、8月31日に東京都千代田区のちよだプラットフォームスクウェアで開催された。株式会社パイプドビッツからは「政治山」で調査分析を担当する青木佑一が、政治山で独自に実施したネット調査やソーシャルメディアの分析をもとに、ネット選挙解禁について分析結果を発表。その後、さいたま市議会議員の土井裕之氏と埼玉県議会議員の井上航氏から、地方議員のネット活用についての事例発表が行われ、参加者たちは活発な議論を行った。
「ネット選挙解禁」で注目を浴びた参院選だったが、自民党の圧勝と低投票率という結果で幕を閉じた。投票日前後には、各社の報道で「ネットの情報は参考にしなかった」とする記事が多く出たが、一方でネットの活用は有権者の判断材料を増やし、政党や候補者と有権者との距離を縮めることに有効だ。
今回の参院選ではどのようにネット活用がなされたのか、その影響や課題について、「政治山」の青木佑一から発表があった。
参院選直後に行った政治山調査の結果から、「有権者はネット選挙に一定の期待を持っていたが、政治家の情報発信はその期待に答えられなかった」と指摘。ネット活用では「自民党、日本維新の会、共産党が成功した」とし、今後の活用については、日頃から活動を発信し、その情報を拡散するために積極的に有権者とコミュニケーションを取ることが重要とまとめた。
続いて、地方議員のネット活用事例として土井氏が登壇。主にツイッターとブログを活用し、5月19日投票の市長選について、有権者と情報交換を行った事例を説明し、ネット活用のメリットとして「誰でも簡単に情報が手に入り、また候補者に直接発信ができる」ことを挙げた。一方で、参院選で比例区の候補者を応援した際のネット活用事例を紹介し、「有権者に2日に1回メールをしたら苦情が来た。情報が多すぎるのも有権者にとって問題」とも語った。他の議員がネットで発信した内容が問題になった事例もあり、「政治闘争に使う人もいるので、発信には気をつける必要がある」と指摘した。
井上氏は、ネット選挙解禁について「これまでは選挙期間中に『誰の応援』ということをネットで言えなかった。これまでの選挙がおかしかった」と語った。日常のネット活用については、ホームページに情報を蓄積するようにして、日々の発信を内容ごとにブログ、フェイスブック、ツイッターなど役割を変えて行っているとした。メリットとしては、駅での街頭演説など現実の活動をきっかけに、ネットを通じて新しく有権者との関係が生まれる一方で、注意する点として、プライバシーの問題や、自身の名前の検索結果におかしな情報が混在する可能性について指摘した。ただ、議員の利用について課題があるとしながらも、ネット選挙が地方選挙を変える可能性があるとして、日頃の発信をしっかりしていくと決意を語った。
本セミナーは、ビジネス視点で政治・選挙を研究する「現代政治戦略研究会」が主催しており、毎回、政治や選挙に関するテーマで勉強会を開催している。
◇ ◇ ◇
第10回政治山調査「参議院議員選挙とネット選挙に関する意識調査」(公示前に実施)
第11回政治山調査「参議院議員選挙とネット選挙に関する意識調査2」(投票後に実施)
【イベント】ネット選挙をいかに活用していくか?~2013参院選における活用事例における成果と課題~
政治、選挙にマネジメント! 現代政治戦略研究会BLOG(外部サイト)