【地域】「一票の格差」よりも「投票時間の格差」? ネット選挙ドットコム 2013年6月28日
鳥取県では、2013年7月29日に執行される参議院議員通常選挙における「投票所閉鎖時刻の繰上状況」について、同県内の市町村ごとの対応状況をまとめて公表しています。
その状況をみると、県全体で492ある投票所のうち、約3割となる157の投票所が、1時間から4時間の範囲で、閉鎖時刻の繰り上げを予定しているようです。
なお、それぞれの投票所の繰上状況については、“お住まいの市町村選挙管理委員会にお尋ねください。”とのことです。ただ、県が市町村の状況をまとめて公表しているケースは、それほど多くはなく、今回の鳥取県の対応は、比較的「親切」のようです。
選挙の投票時間は、1998年6月の公職選挙法改正時に、それまでの午後6時から午後8時に繰り下げられました。その理由は、投票時間の延長や不在者投票制度の見直しなど、「投票率の向上」を図るためで、このときに、不在者投票時間も、午後8時まで延長されました。
また、2000年4月の地方分権一括法施行で、市町村選挙管理委員会は、都道府県への届け出だけで、投票時間の変更ができるようになりました。
その後、2003年12月には、それまでの不在者投票制度の、対象となる有権者の要件を緩和する形で、選挙の投票日に投票できない有権者を対象に、公示日(または告示日)の翌日から投票日の前日までの期間、特別に投票を認める「期日前投票」制度が導入されました。
公職選挙法第40条第1項には、「投票所は、午前七時に開き、午後八時に閉じる。ただし、市町村の選挙管理委員会は、選挙人の投票の便宜のため必要があると認められる特別の事情のある場合又は選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り、投票所を閉じる時刻を四時間以内の範囲内において繰り上げることができる。」とあります。
つまり、選挙権を有する「選挙人」の事情にのみ言及しているわけで、地方自治体がその理由に挙げる、“係員の負担”や“選挙結果の早期発表”が、「特別な事情」にあたるとしている点は、首をかしげざるを得ません。なお、前回の衆議院議員選挙では、全国で3割の投票所が時間繰り上げを行ったといわれています。「一票の重み」は、それだけ軽くなっているということなのでしょうか。
▼外部リンク
鳥取県 選挙管理委員会「繰上投票」
http://www.pref.tottori.lg.jp/66207.htm