[兵庫・伊丹市]SNSを活用した水防図上訓練を官民連携で実施 (2019/10/24 株式会社ぎょうせい)
兵庫県伊丹市(20万2200人)は5月31日、SNSを活用した水防図上訓練を官民連携で実施した。風水害時の初動において、市が行うべき状況判断、意思決定、役割分担、情報集約及び情報発信について確認を行い、水防活動体制の万全を期するのが目的。
訓練で想定したのは、昨年の台風21号による災害。このとき市内各所で停電が発生し、ライフラインの供給が停止、情報システムもダウンした。当時の市災害対策本部で被災状況等の情報収集ができなかった経験や、避難行動要支援者への電話による安否確認の経験を踏まえた訓練が行われた。
訓練の内容は大きく、(1)SNSを活用した図上訓練、(2)ロールプレイング方式による図上訓練(状況再現)、(3)LINE防災チャットボットによる災害情報収集訓練、(4)新たな避難行動要支援者の安否確認モデル事業の運用イメージ検証訓練の4種類。このうち(3)では、災害対応や停電発生時の対応などについて、LINE防災チャットボットを活用して情報を収集し、災害状況要約システム「D-SUMM」で閲覧することで、SNSの情報が有効で今後の災害対応に活かすことができるかを検証した。また(4)については、市の新たな安否確認モデル事業として、官民連携で研究開発を進める予定という。
訓練は市防災センターで行われ、参加者は市職員約50人のほか協力団体。協力団体は、関西電力のほか、内閣府SIP「国家レジリエンス(防災・減災)の強化」「避難・緊急活動支援統合システムの研究開発」「対話型災害情報流通基盤の研究開発」の実施3機関による研究開発チーム、国立研究開発法人防災科学技術研究所(NIED)、ウェザーニューズ(WNI)、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)。また協力機関としてLINEが加わっている。
(月刊「ガバナンス」2019年9月号・DATA BANK2019)
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