日本初の大型ICO案件、COMSAとは【ICOレポート】 株式会社フィスコ 2017年11月16日
いま世界で注目されるICOとは、企業や団体がデジタルの「トークン」と呼ばれる電子記録を発行してクラウドセールによってトークンの販売を行い、購入者にその対価としてビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を送金してもらうという、仮想通貨の技術を利用したグローバルに展開が可能な購入型クラウドファンディングに近い調達方法の一種である。日本におけるICOの大型案件第1号として発表された、COMSAの概要を下記にまとめる。
プロジェクト概要
COMSAは、実際にサービスや商品をもち事業を展開する企業が、ブロックチェーンと仮想通貨技術を導入する為の様々な障壁を解決し、ICOを実施する為の総合ソリューションでありプラットフォームだ。ICOを実施してからトークンを利用したプロジェクトを始動するまでの一貫したサポートとブロックチェーンのソリューション・サービスを提供する日本発のプロジェクトである、COMSAプロジェクトのローンチに先立ち、COMSAプラットフォームの内部通貨となるCMSトークンのクラウドセールが実施され、日本初の大型ICOとなった。
COMSAプラットフォームはネムのプロトコルとイーサリアムのスマートコントラクトを活用して、ビットコイン、イーサリアム、XEM(ゼム)など異なる技術の上に発行された仮想通貨同士をペッグし、それらの価値を第三者を介さず交換するエンジンを提供する。COMSAプロジェクトによって企業がICOトークンを発行すると、プラットフォーム上で取引が可能となる他、仮想通貨取引所Zaifが介在することによって、企業のICOトークンをビットコイン、イーサリアム、ネムの複数の暗号通貨の価値とペッグさせ交換することも可能となる。
■ICO期間
・プレセール2017/9/9~9/21
トークンセール開始前に、10万ドル以上の仮想通貨建てで出資する投資家に対してのみ、個別に20%のCMSトークンがボーナスとして付与されるという条件でプレセールを実施。
・トークンセール2017/10/2~11/6
早く申し込むほど高いボーナスが付与される形で、下の4段階に分かれてセールを実施。(1)10月2日~10月6日までに購入すると購入CMS数に14%ボーナス付与(2)10月6日~10月11日までに購入すると購入CMS数に10%のボーナス付与(3)10月11日~10月25日までに購入すると購入CMS数に5%のボーナスが付与(4)10月25日~終了日11月6日はボーナス付与無し。
■トークン公募価格
1USD相当の購入に対して、1CMSトークンを配布。CMSトークンの購入に当たっては、ビットコイン、イーサリアム、XEM(ゼム)のいずれかの仮想通貨建てか、もしくはZaifトークン(仮想通貨取引所Zaifの発行するトークン)建てのどれかの方法で支払う。
■トークン総発行数
トークンセール終了時点まで上限を決めずにトークンが発行され、トークンセール終了時に、トークンセール参加者に発行されるトークン数と同数のトークンが追加発行されて総発行数としてロックされる。
■資金調達額
COMSAのCMSトークン販売による売り上げは約9540万ドル(約109億円)に到達。これは10月26日時点で2017年の数多くのICOプロジェクトの中でも約9700万ドル相当を調達したプロジェクト、Kinに次ぐ世界7番目という大規模な結果となった。
■評価
日本における大型のICO案件第1号として注目度が高い。また、COMSAのプラットフォームを利用したICO案件としてすでに企業の具体的な名前が挙がっており、今後COMSAを利用したプロジェクトが継続して誕生して活況となれば、CMSトークンの価値も上昇することが期待される。
2017年には200超のICO案件が存在したが9000万ドル超の資金調達に成功しているICOはCOMSAの他には7件しかない。COMSAプロジェクトへの期待感の強さがうかがえるといえる。さらには2017年のICO案件で資金調達額が上位10位に入る案件について、トークンセール時の公募価格と上場後1週間の価格を比較したところ、平均して30%価格が上昇していることが確認できる。
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