福島県産米の海外輸出再開 株式会社フィスコ 2014年8月19日
全国農業協同組合連合会(JA全農)は18日、東日本大震災での東京電力・福島第一原発事故以降輸出停止となっていた福島県産米の海外輸出を今月から再開すると発表した。
シンガポールの日系高級スーパー「明治屋シンガポール」で22日(現地での輸入通関・検査等の遅れにより、販売時期が変更となる場合あり)から福島県産コシヒカリ(5キロ入り・精米)60袋、計300キロの販売を始める予定。福島県が放射性物質の全量検査を行い、安全性を確認した。
福島県産米は東日本大震災前には香港や台湾などに年間100トン程度が輸出されていたが、震災後に輸出・販売されるのは初めて。同国で福島県産農産物の安全性への理解が得られたことや、6月に日本食品の輸入規制が緩和されたことから輸出再開が決まった。
JA全農は、22日~24日にかけてJA全農担当者が現地での店頭販促応援を実施するなど、現地の消費者向けに福島県産米の「安全・安心」をPRするため販促活動を実施し、「福島県産米輸出再開」をアピールしていく。
また、安全に厳しいシンガポールへの輸出再開をきっかけにして、今後、他国への輸出も再開し、地域のJAとともに生産者の支援と地域農業の復興に全力をあげていく方針だ。原発事故後、タイやマレーシアには福島県産の日本酒や桃などの輸出を再開している。国や福島県は、今後も福島県産の農産物の安全性をさらにPRして風評被害を払拭し、輸出を拡大したい考えだ。
しかし、本格的に輸出を再開し原発事故前の水準に輸出量を回復させるには程遠くまだまだ厳しい状況といえるだろう。
<YU>
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