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東京都知事選挙2014

原発、首都直下地震、インフラ整備…各候補者の主張は? (2014/2/4 フィスコ)

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東京都知事選挙2014

2月9日の投開票まであと1週間を切った。ここまで各候補者が様々な選挙戦を演じているが、今回の都知事選は「脱原発」が争点となっている。とはいえ、首都直下地震への対策や首都高速道路などインフラ整備など東京都政の論点は多種多様である。ここで一度、共通の政策に対する各候補者の主張を比較したいと思う。16立候補者全員の主張を比較するのがベストではあるが、今回は様々なメディアで頻繁に名前が挙がっている宇都宮健児氏、田母神俊雄氏、細川護熙氏、舛添要一氏(五十音順)を中心に展開していく。

立候補理由

宇都宮氏
:世界一働きやすく、くらしやすい希望のまち東京をつくる。
田母神氏
:東京オリンピックがあるというなかで、東京の強靱化対策が必要だと。大災害が起きたときの都民を救済する対策を、きちんと整えたいと思って。
細川氏
:元々出馬する気はなかったが、各界の敬愛する方々から、ぜひ最後のご奉公をあなたがやるべきだと言われ背中を押されて、特に脱原発の同志である小泉元総理から強いメッセージを受けて、意を決して出馬の意向を固めた。
舛添氏
:先の参議院選挙に出ずに充電していたところ、こういった事態になり、お会いする都民の皆さんに「のんびりしてないで働け」と言われたのがきっかけ。
家入氏
:ツイッターで1000RTされたら出馬すると言い、その後達成されたため。

 様々な【立候補理由】があるなか、ユーモア溢れる理由を掲げているのは家入一真氏だ。ツイッターで1000RTに達するまで僅か5分ほどだったとのこと。一方、細川氏は堂々と「元々出馬する気は無かった」と述べるなど立候補の理由は人それぞれといったイメージだ。

都市対策

宇都宮氏
:老朽化している首都高速道路やその他の道路については、必要な補修・改修・更新(全面的な造り替え)・除去を急いで進める。
田母神氏
:東京オリンピック・パラリンピックの準備のため、日本政府と協力、連動しながら、東京を世界一、安心安全で清潔な美しい都市に育てる。電柱電線の地中化はその一例。ビル屋上等の緑化運動等のエコ化政策も推進する。
細川氏
:日本橋上の首都高速道路撤去の可能性を検討するなど伝統ある景観の回復に努める。
舛添氏
:羽田空港・成田空港からのアクセスの向上、羽田空港の国際線増便などを展開。

 宇都宮氏が老朽化した首都高速道路などの補修などを掲げる一方、細川氏は日本橋の景観の回復に努めるとしている。以前から、日本を代表する建造物である日本橋のすぐ上を首都高が通ることで、見栄えの悪さを指摘する声は聞かれていた。東海道などの要所として、細川氏は文化財としての保護を進めるとの意味合いもあるのだろう。

原発

宇都宮氏
:東京都として「脱原発都市宣言」を発し、東京電力の経営方針を脱原発に転換するよう提案する。都として、公共施設への自然エネルギー、省エネルギーの導入を積極的に推進。その実現のために目標年次を設定する方式をとる。
田母神氏
:特に無し。
細川氏
:東京が先頭に立って、省エネルギーと再生可能エネルギーの普及拡大をはかることで、日本の原発ゼロの成長戦略をリードする。
舛添氏
:原子力発電に依存しない社会の構築、再生可能エネルギー20%計画の構築(東京都のエネルギー使用の見える化・利用目標の設定、メガソーラー・大型風力・上下水道での小規模水力・バイオマス・石炭混焼発電所の建設促進、太陽光発電の導入支援など)

 【原発】に関しては、細川氏が「脱原発」を明確に主張しているほか、宇都宮氏も細川氏と同じようなスタンスを取っている。一方、舛添氏は、原発に依存しない社会の構築という表現に留めていることが印象的だ。なお、田母神氏にいたっては原発そのものを政策に盛り込んでいない。

震災・防災関連

宇都宮氏
:首都直下地震への防災・減災対策を強化。首都高危険個所など老朽化した道路・橋梁などインフラの検査・補修を国と連携して重点的に推進する。
田母神氏
:「東京強靭化プロジェクト」を起ち上げ、建物耐震化条例をさらに強化し、東京の全ての学校や公共施設の耐震・免震力の強化を目指す。米軍横田基地の日米共同使用を実現し、災害時や緊急事態に日米が協力体制を組めるようにする。
細川氏
:住民とのリスクコミュニケーションを重視した防災・減災対策を行なう。世界一安心・安全で快適な街づくりを進め、高度防災都市、世界の防災拠点へと発展させる
舛添氏
:緊急輸送道路周辺の容積率の拡大による建物・マンションの建て替え、周辺地域と連携したサプライチェーン・物流の迅速な復旧。集中豪雨、島しょ部の津波、台風等の地震以外の自然災害、新型インフルエンザ等の新興感染症対策の強化、大島復興の加速。

 【震災・防災】に関してだが、舛添氏のみ昨年大雨により被災した大島の復興にふれている。4氏のなかで具体的な方向性を示しているのは田母神氏か。「東京強靭化プロジェクト」を立ち上げるほか、米軍横田基地の日米共同使用を実現するとのことだ。横田基地に関する内容は石原元東京都知事が進めようとしていた内容に近いとの印象もあり、石原氏の強いバックアップを感じる内容に。

 週明け、一部メディアが報じた世論調査によると、舛添氏がリードを保っているという結果が出た。とりわけ、興味深いのは次の都知事に期待する政策を一つ挙げてもらったところ、「医療・福祉」、「景気・雇用」がともに20%台となり、「エネルギー・環境」に関しては9%に留まったという点である。今回細川氏は「脱原発」を争点に掲げて選挙戦を進めているが、有権者の関心とはややズレが生じているようだ。とはいえ、無党派層の大きな風が吹きやすい東京での選挙を考えると、この一週間で大きく流れが変わる可能性は十分にあるとも言えよう。今年初の大型選挙の投開票まで本日を含めあと7日。

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