鳩山元首相、また安倍批判 中国メディアは反日利用も、日本政府はついに無視 ニュースフィア 2014年6月18日
6月21、22日に、中国・北京で第3回世界平和フォーラムが開催される。これは、清華大学等が主催し、アジア太平洋地域等の安全保障問題について議論する、ハイレベルな非政府国際安全保障フォーラムだ。
鳩山由紀夫元首相もゲストとして出席する予定だ。同氏は出発前に、中国国営新華社通信の単独インタビューに応じ、安倍政権批判を繰り広げた。
【インタビューでの鳩山元首相の発言の概要】
鳩山氏は、安倍政権の安全保障政策について、「安倍首相が提唱する積極的平和主義は偏狭で、アジア太平洋地域に真の平和はもたらさない」と批判した。
同氏の主張のポイントは、下記の通りだ。
<外交・安全保障政策について>
・安倍政権の外交・安全保障政策は、異なる価値観の国を疎外するもの。対話を通した共通理解が重要
・日中両国の国民感情を改善することが、アジア共同体構築に向けた第一歩
・集団的自衛権の行使容認は、日本の宝物である平和主義を捨てることになる
・米国にとって中国の重要度は増すばかり。日米同盟の価値を強調しても流れは変えられず、米国も喜ばない
<領土・歴史認識について>
・領土問題は歴史認識の違いから生じており、解決策も歴史の中にある
・尖閣諸島については、1970年代、日中両国は「棚上げ」の共通認識に達していた
・日本人は歴史をもっと学び、勇気をもって直視し、相互理解・協力体制を築くべき
鳩山氏は、同フォーラムへ前回出席した際にも、安倍政権の外交政策を批判しており、今回のインタビューもそれを踏襲したものとなっている。
【鳩山元首相の発言に対する中国メディアの反応】
鳩山元首相の発言に対し、日中両メディアの反応は対照的だ。中国メディアは日本批判に利用する一方、日本のメディアは一部を除き無視している。
中国国営新華社通信は、鳩山氏のインタビューの後に、常万全国防相の次のようなコメントを掲載している。「国の主権を守り、領土を統合することが中国の主要な関心事だ。この点で妥協・容認することはない。領土を侵害されることは許し難い」。
さらに、安倍内閣閣僚の靖国神社参拝を「アジアの平和的発展に対するリスク」とする見方も掲載している。総じて、鳩山元首相の発言を利用して、安倍政権の対中姿勢を批判し、中国政府の立場を主張する内容だ。
【日本メディアも政府も無視】
一方日本のメディアでの記事は少ない。ZAKZAKが「鳩山元首相、また中国に迎合」と紹介し、共同通信が「『安倍首相は偏狭』と批判」と報じているくらいだ。
日本政府も同様に無視する姿勢なのか、公式見解は発表されていないようだ。2013年の同様の事態には、菅官房長官が「開いた口がふさがらない。国益を著しく損なうもので、断じて許すことはできない」と鳩山元首相を批判していた。今後は、いちいち反応しない方針となったのだろうか。
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