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政治山ニュースまとめ

沖縄本土復帰40周年まとめ (3/5ページ)

新聞社説

◆沖縄タイムス ―― [復帰教育]世替わり体験 次世代へ◆

「世替わり」の体験を引き継ぐためにも、学校で家庭で、話し合う機会をつくっていく必要がある。

  • 沖縄戦をはさんで戦前と戦後に大きな断層があり、施政権返還をはさんで復帰前と復帰後に大きな断層がある。この二つの「世替わり」は住民の暮らしに極めて大きな変化をもたらした。

    沖縄戦については、学校現場で取り上げられ、家庭でも語り伝えられてきたが、それに比べると、二つの「世替わり」の間にはさまれた27年に及ぶ「米統治下の沖縄」が語られる機会は、沖縄の中でも意外と少ない。

    日本の中でも特異な沖縄の「世替わり」体験を、歴史に埋もれさせてはいけない。

    軍事植民地からの脱却を求める沖縄の声は、戦後、世界各地で展開された植民地解放運動ともつながる普遍性をもっていた。復帰に託した「平和な沖縄県」や「豊かな沖縄県」はどれだけ実現されたのだろうか。そのことを問い返す日が「5・15」である。

    ■[復帰教育]世替わり体験 次世代へ■沖縄タイムス(2012年05月14日)

◆琉球新報 ―― 復帰40年/自立の気概持とう 国の空洞化、無策を憂う◆

野田佳彦首相に問いたい。民意無視と危険極まりないオスプレイの配備は、沖縄差別ではないのか。

  • 沖縄に在日米軍専用施設の74%が集中し、基地から派生する事件・事故、爆音被害によって、県民の生命や基本的人権が危険にさらされ続けている。理不尽な状況を招いたのは沖縄ではない。問われるべきは、民主主義や憲法が機能しないこの国の空洞化、為政者の無策ぶりだろう。

    本土側から「基地がないと沖縄経済は立ち行かないのではないか」といった声が絶えないが、これは先入観以外の何物でもない。基地返還前と返還後で経済効果が十数倍となった那覇新都心地区や、同じく170倍超の北谷町美浜・ハンビー地区の発展ぶりを見れば納得いくはずだ。沖縄は既に基地依存経済から脱している。

    沖縄の県民所得は全国平均の7割、完全失業率は2倍近くで高止まりしたままだ。「基地の整理縮小と跡地利用」と雇用創出を並行して進めなければ、沖縄の自立的発展はおぼつかない。幸い沖縄の要求をほぼ満たす形で改正沖縄振興特措法と跡地利用推進特措法が成立した。本県はこの「沖縄2法」と本年度にスタートする新しい振興計画に基づき今後10年間、自立的発展を目指す。

    県民所得が低い本県では、他府県以上に人材育成への支援に力を注いでしかるべきだ。関係機関は人材と雇用なくして沖縄に未来はない、と肝に銘じてほしい。

    ■復帰40年/自立の気概持とう 国の空洞化、無策を憂う■琉球新報(2012年05月15日)

◆朝日新聞 ―― 沖縄復帰40年―まだそこにある不条理◆

現実から目をそらすような安全保障政策を、いつまでも続けていくわけにはいかない。

  • 40年もともに過ごせば、お互いの気持ちや痛みをわかりあえるものだ。しかし、きょう復帰40年を迎えた沖縄と本土との関係は、そうなっていない。

    日本が主権を回復した1952年、国内の米軍基地の9割は本土にあった。その後、沖縄への移転、本土内での集約が進み、復帰時には59%が沖縄にあった。いまは74%で、「基地の中に沖縄がある」と言われる。この間、政府は沖縄の人たちの神経を逆なでしてきた。

    米軍の沖縄駐留による安全保障の受益者は、主に本土の人々である。だが、全人口の1%の沖縄県民がいくら訴えても、残る99%の間で、基地をめぐる議論は広がらない。猛烈な騒音被害も、事故への日常的な恐怖感も、本土の人々が共有しようとしないからだ。

    経済的な支援策では埋めきれない不条理なまでの重荷を、沖縄は負っている。負わせているのは、本土の人々だ。

    ■沖縄復帰40年―まだそこにある不条理:社説■朝日新聞デジタル(2012年05月15日)

◆読売新聞 ―― 沖縄復帰40年 経済と安保を両立させたい◆

政府は、この現実を直視し、自衛隊と米軍の防衛協力を基盤とする日米同盟の抑止力と実効性を堅持しなければならない。

  • 計画の策定主体を政府から沖縄県に変更したのは、妥当である。アジアに近接する地理的特性や国際性を生かした計画を着実に実行に移してもらいたい。

    民主党政権は、米軍普天間飛行場移設問題を迷走させた負い目もあり、今年度の沖縄振興予算を2937億円へ大幅に増やした。これを有効に使うためには、沖縄県と各市町村が、中長期的展望に立った振興策を企画し、自助努力を続けることが大切だ。

    自由度の高い一括交付金を活用し、社会資本や箱物の整備などハード中心だった予算の使途を、環境、福祉などソフト重視に見直すことも求められよう。

    在沖縄海兵隊の海外移転に伴う米軍施設の返還や日米地位協定の運用改善など、地元負担の軽減に全力を挙げる必要がある。普天間飛行場の辺野古移設にも粘り強く取り組むべきだ。

    ■沖縄復帰40年 経済と安保を両立させたい : 社説・コラム ■YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2012年05月15日)

◆毎日新聞 ―― 沖縄本土復帰40年 「差別」の声に向き合う◆

沖縄が期待した基地のない「本土並み」の暮らしと現実の落差は、あまりに大きかった。

  • 仲井真弘多沖縄県知事が、過重な米軍基地の負担を「差別」と表現したのは2年前だった。そして、今、同じ意識が県民に広がっている。

    本土と同じく、米軍への基地提供を定めた日米安保条約を沖縄に適用する――これが、政府にとっての「本土並み」の意味だった。

    返還の見返りに、本来、米国が支払うべき土地の復元費用を日本政府が肩代わりする約束をしていたことも明らかになった。こちらは有識者委員会も密約と認定した。これら「沖縄密約」は、国民と沖縄を裏切る外交史の暗部である。

    厳しさを増す東アジアの安全保障環境を考えれば、在日米軍をただちに大幅削減することは難しい。選択肢は限られている。解決には、本土が負担を引き受ける以外にない。

    日米両政府は、在沖縄米海兵隊のグアム移転を普天間移設から切り離し、米空軍嘉手納基地以南の5施設・区域を先行返還することで合意した。実現すれば沖縄の負担軽減と経済振興に結びつく。早急に返還時期を確定し、着実に実施すべきだ。さらに、他の米軍施設についても返還の可能性を探るよう求めたい。

    沖縄の地理的条件から本土への移転は抑止力低下になるとの見方があるが、装備品の近代化・技術革新で米兵力の即時対応能力は向上している。米軍に代わって自衛隊が役割を分担することも一つの方策だろう。

    ■社説:沖縄本土復帰40年 「差別」の声に向き合う■毎日jp(毎日新聞)(2012年05月15日)

◆西日本新聞 ―― 沖縄復帰40年 「不平等」の固定化でいいのか◆

少数の犠牲の上で大多数が安逸に暮らす-。そんな社会を放置し続ける日本であっていいはずがない。

  • 沖縄県の1人当たり県民所得は全国平均の7割強にとどまり、全国46位。完全失業率は最も高く、高校進学率は最下位である。近年観光で注目されるものの、経済自立にはなお遠い。

    最も突出しているのが米軍基地の存在で、今も2万3千ヘクタールに及ぶ。面積では全国の0.6%にすぎない沖縄県に、在日米軍専用施設の約74%が集まり、数々の生活被害を及ぼしている。異様な基地集中は、40年たっても改善されず固定化されたままだ。

    米軍による事故や米兵の犯罪も後を絶たない。1995年の少女暴行事件で米軍は起訴まで容疑者の兵士の身柄引き渡しを拒み、2004年の沖縄国際大学へのヘリ墜落事故では米軍が日本側の警察、消防さえ現場から締め出した。こうした特権を保証する日米地位協定は一度も改定されていない。

    40年たった今はどうだろう。本土は沖縄の苦悩を人ごとのように眺め、沖縄はその無関心さに不信と無力感を強めているのではないだろうか。

    沖縄と本土は、復帰当時の共感を育むどころか、分断が広がっている。本土側には「基地集中は好ましくないが、やむを得ない」とのあきらめ感も漂う。

    ■沖縄復帰40年 「不平等」の固定化でいいのか■西日本新聞(2012年05月14日)

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