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虐待死を防げ!赤ちゃん縁組立ち上げへ寄付呼びかけ――NPO法人フローレンス (2015/12/16 政治山)

認定NPO法人フローレンスが、虐待で命を落とす赤ちゃんを救うべく、子育てできない実親の出産と同時に、子どもを望む夫婦に養子縁組を託す「赤ちゃん縁組」事業立ち上げへ動き出しました。12月14日からクラウドファンディングを開始して2500万円の寄付を募り、なすすべもなく犠牲となる年間数十人の赤ちゃんを助ける土台作りを行います。

赤ちゃん

2週間に1人が命を落としている

 日本では2週間に1人、乳児が捨てられ死んでいます。頼みの綱の児童相談所は「より命に直結する児童虐待への対応で人手が足りない」(厚生労働省)。こうした現状に対し、産婦人科医や福祉関係者の有志が民間ボランティア・NPO団体を立ち上げ、赤ちゃん縁組の活動を行ってきましたが、現在でもこうした団体は全国に数えるほどしかなく、どの団体も運営に苦しんでいます。

 フローレンスは「おうち保育園」というミニ保育園を2010年に始めて、2015年から「小規模認可保育所」という名前で国の政策となりました。このほかにも、訪問型病児保育の新プラン開発や、日本初の障害児専門保育園「ヘレン」設立など多くの実績があります。こうした経験とノウハウに基づき、赤ちゃん縁組事業でも「モデルケースをつくり、国の支援事業に反映させる」ためのテコの役割を果たそうと考えています

 目標として、3年間で100人の赤ちゃんを救い、5年以内に制度化、10年で赤ちゃんの虐待死をゼロにするロードマップを描いています。

専門相談員が出産前から双方に相談・説明

 フローレンスの考える赤ちゃん縁組では、専門の相談員が、予期しない妊娠をした女性の相談に乗る一方、子育てを希望する夫婦に制度の説明や研修をして、出産後、双方が納得する形で養子縁組を行います。同時に、生みの親の社会生活復帰に向けたサポートも続けます。

 国内の特別養子縁組の成立件数は年間約300件で、社会的養護を必要とする子どもの1%にも満たない数です。米国の5万件超、英国の約4700件に対し著しく低い数字で、養護が必要な子どもの85%、約3万人は施設で暮らしています。

養子縁組の成立に向けて環境整備

 養子縁組が少ない理由の1つには、乳児院に預けられたわが子に対し、実親が中途半端な所有欲を持ち続けてしまうことが挙げられます。フローレンスは妊娠段階で適切な相談を行い、生まれるわが子にベストな環境を提案することで、虐待死を未然に防止したいとしています。

 事業所は東京都にありますが、必要に応じて全国各地にスタッフを派遣し、全国規模の支援を目指しています。クラウドファンディングが成功した場合、2500万円の寄付金は、実親と育ての親双方に呼びかけるウェブサイトの構築・運営と、乳児を引き渡すまでの一連の業務費用に充てられます。

クラウドファンディングはこちら>>

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