政治とぼくらの距離~本当の社会参加をするために (2014/5/16 有限責任事業組合 政策支援 細川甚孝氏)
インタビュー調査、現状分析、政策・政治を学び、政策立案をする実践教育プログラム「10Days Social Action Camp」が、10日から東京都豊島区のみらい館大明で始まりました。このプログラムは、選挙プランナーの松田馨氏(株式会社ダイアログ代表取締役)、「調査と本質分析」に特化した新規事業プロデューサーの広瀬真之介氏(株式会社小石川 代表取締役)、政策コンサルタントの細川甚孝氏(有限責任事業組合政策支援)の3者によるコラボレーション企画。
彼らによると、「社会参加とは、『任せきりにせず、自分たち自身で地域や領域をより良くする』というものです。それは、政策や制度、行政、政治家を否定することとは直結しません。むしろ、それらと“一緒にやること”でより大きな成果を生み出せるのです。これからやりたい社会活動や、既に取り組んでいる社会課題をさらにスケールアップさせるためには、政策や制度を知らねばなりません。政治にとって大事なこと、政策にとって重要なことを知った上で、本当の意味で“社会参加してほしい”。そして、ぜひ大きくしてほしい」という思いで、プロジェクトが始まったといいます。プログラムの1、2日目の模様について、主宰者・細川甚孝氏のレポートをお届けします。
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会場のみらい館大明は、旧豊島区立大明小学校であり、現在は地域コミュニティの中核として、様々な文化・教育活動が行われている。今回の会場も、図書ルームに階段教室があり、非常にオープンな雰囲気の会場だった。
まず1日目(10日)午前は、松田氏による昨今の選挙と政治、政策のあり方についてのレクチャーが行われ、選挙コンサルタントとして松田氏がこれまで培ってきた選挙の実務、政策と選挙の関係性などについて議論。途中、広瀬氏が聞き手として入り、家入かずま氏が立候補した今年2月の東京都知事選挙の内幕などについて対話した。
10日午後は、広瀬氏がコーディネーターとなり、フューチャーセッション形式(※)で、政治の未来や、政治と自分との関わりを模索した。政治と自分自身の距離は近い、遠い、人々に密接に関わる身近な事という人、全く存在を感じないという人。主宰の3人もセッションに入り、政策と自分たちの距離について幅広い対話が繰り広げられた。
※フューチャーセッションは、最適な答えのない複雑な問題を解決するために、立場の違いを超えた対話により協調アクションを生み出す場です。
次に、筆者が政策を作ってきた視点から、地方自治体の政策の仕組み、議会の政策の仕組み、どのような構造で政策が成り立っているかをレクチャーした。
2日目の11日午前は、広瀬氏が中心となり、市民の方とどのように対話するか、インタビューするかをレクチャーし、続けて実践編として、実際にみらい館大明の利用者の方々にヒアリング。午後は、筆者が中心となり、豊島区における文化政策、みらい館大明のあり方についてのワークショップを行った。
このあとプログラムは調査と政策プラン作りの自主活動に移り、25日の最終プレゼンテーションに向けて受講者自身で政策構築を行う。「10Days Social Action Camp」は今後、年内に3~4回実施する予定。
■プログラム概要と日程
5月10日(土) 座学
5月11日(日) 実践inみらい館大明
5月12日(月)~17日(土) 自主活動(調査&政策プラン作り)
5月18日(日) 事前発表
5月19日(月)~24日(土) 自主活動(調査&政策プラン作り)
5月25日(日) 最終発表
- 細川甚孝(ほそかわ・しげのり):有限責任事業組合 政策支援 代表組合員
2009年、早稲田大学大学院公共経営研究科修了(公共経営学修士)。2000年前後から自治体などの総合計画、行政改革などのコンサルティングに携わる。土木設計、大学機関、広告代理店などでそれぞれの持ち味を活かしたプランニング・コンサルティングを経験。2010年ごろから、活動範囲も政治・政策までに広げ、現在全国規模で活動中。