【LM推進地議連連載/地方議員リレーコラム】
政治家ならば、参加することに意義がある!~マニフェスト大賞への思い~(2012/06/13 横浜市会議員 黒川勝/LM推進地議連)
政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載コラムを掲載しています。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信中です。第5回は、神奈川県横浜市会議員の黒川勝氏による「政治家ならば、参加することに意義がある!~マニフェスト大賞への思い~」をお届けします。
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はじめまして。「第7回マニフェスト大賞」実行委員長の横浜市会議員の黒川勝(くろかわ・まさる)と申します。「政治山」という場をお借りして、地方政治にかかわる人たちに「マニフェスト大賞」への応募のお願いをさせていただきます。
今年も第7回マニフェスト大賞の授賞式が、11月2日に六本木ヒルズで行われます。7月2日から8月31日にかけての2カ月間が、エントリー期間となります。「しっかりと議員としての仕事をして成果を挙げている」「素晴らしいアイデアで議会を進化させている」、そういう議員や議会、首長の取り組みと成果を評価し、表彰しようというのがマニフェスト大賞の目的です。
また、全国各地での新しい試みや取り組みを共有し、素晴らしい政策を全国に波及させていく発信力が、マニフェスト大賞にはあります。昨年も1670件のエントリーの中から、さまざまな部門を設けて表彰をさせていただきました。地方自治に精通した有識者による審査委員会によって「地方政治の新しい取り組み」を認められ、表彰される皆さんは、誇らしげであるとともに、「自分たちのやってきたことが間違ってなかったのだ」と実感しているようにも感じました。後日、毎日新聞をはじめマスコミ各社がマニフェスト大賞を取り上げ、授賞された政策や取り組みは全国に発信される予定です。
議員は、議会に出勤して机に座っていることが仕事ではない
黒川勝氏
マニフェスト大賞が開始された7年前、政務調査費の不正使用が報道で盛んに取り上げられ、まじめに仕事をしている議員にも批判の矛先が向きました。不正利用をするような議員だけでなく、一生懸命仕事をして、素晴らしい取り組みをしている議員もいるということを多くの人に知ってもらいたい。また、別の議員がそういう取り組みを参考にして、よりよい政策を生み出していってほしい。それが、マニフェスト大賞を始めた理由の1つです。
しかし、議員への批判は、従来からの政治不信と相まって今も止むことはありません。特に、議員定数削減、政務調査費返上、議員歳費のカット……。「議会改革とは、議会を矮(わい)小化することだ」という風潮があるように思えます。市民や首長が言うのであれば、それは謙虚に受け止めなければいけないのかもしれませんが、地方議員でありながらそのような発言を繰り返す人たちがいます。自分の仕事の価値を貶めていることに気づいているのでしょうか。自分の仕事に誇りを持っていないのでしょうか。
「議員の定数を減らす」ということは、その地域で1人の議員がカバーする人口が増えるということであり、もっときめ細かく市民の声を聞きたいと思うなら、定数はむしろ増やすよう議員は主張すべきです。地方議員の仕事は、現場へ視察に行ったり、市民に市政報告をしたり、政策課題の調査をしたり、市民の中に入って課題を聞いたり、自らの研鑽のために勉強をしたり……。まじめに仕事をすればするほど、お金がかかるものです。「議員歳費や政務調査費が減る」ということは、単純に自分の仕事にかける経費が減るということです。歳費や政務調査費に頼らなくても、政治献金がどんどん集まるというなら話は別ですが、地方議員とは、毎日議会に出勤し、机に座って電話が鳴るのを待っていることが仕事ではないのです。
みなさんが頑張った成果を「参考にしたい」「取り入れたい」という人がいる
それぞれの自治体によって行うべき政策は異なると思いますし、地域の実情に精通した上での政策であれば、地域特性を生かした個性的・独創的なものになることは当たり前です。私自身、実行委員長ではありますが、マニフェスト大賞を受賞した取り組み以外にも素晴らしい取り組みがたくさんあると思っています。素晴らしい政策や取り組みであっても、審査員の目に止まらないこともあるかもしれません。当たり前のことをまじめに愚直に取り組んでいることが表彰されるということもあるでしょう。全国の意識の高い議員のみなさんが、たくさんのエントリーをしてきてくれることが「マニフェスト大賞」の最大の意義だと思っています。
地方議員・議会・首長のみなさんは、もう一度自分の仕事を振り返ってみてください。みなさんが人知れず議会の中で頑張った成果や独自の政策を、「参考にしてみたい」「取り入れてみたい」「全国に広めたい」と思っている人が日本のどこかにきっといるのです。そして、どんな取り組みでも結構ですから、マニフェスト大賞へのエントリーにチャレンジしてみてください。実行委員として参加してみたいという人も大歓迎です。
- 著者プロフィール
- 黒川勝:1965年11月12日生。神奈川県横浜市会議員2期。自由民主党所属。社団法人横浜青年会議所第54代理事長、NPO法人横浜スタンダード協議会初代理事長を歴任後、2007年横浜市会議員に初当選。第7回マニフェスト大賞実行委員長、前ローカルマニフェスト推進地方議員連盟共同代表、自由民主党横浜市連副幹事長・副団長、観光・創造都市・国際戦略特別委員会委員長。
黒川勝ホームページ
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