【LM推進地議連連載/地方議員リレーコラム】
今こそ議会の力、発信力を持った議会に~私が議会でしたいこと~(2012/05/30 京都府議会議員 上村崇/LM推進地議連)
政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載コラムを掲載しています。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信中です。第3回は、京都府議会議員の上村崇氏による「今こそ議会の力、発信力を持った議会に~私が議会でしたいこと~」をお届けします。
これからは議会全体としての行動が求められる
大阪「都」構想や横浜市の「特別自治市」など、「大都市制度」が首長の発信力によって大きな関心を呼んでいます。それは大阪に始まり、神奈川でもその議論が進み、そのほかの自治体へと波及しています。私が所属する京都府議会で言えば、近隣の「大阪都構想」などは行政としての範囲は違えど、住民の関心はかなり高く、「発信力のある首長と対峙して、地方の議会はどうあるべきなのか」という課題に直面しています。
今までも、その地域でたった1人だけ選挙で選ばれる首長に対し、複数の議員を有し、多様性を持つ地方議会はその性格ゆえ、議論に時間がかかります。さらに、議員として互いに干渉しあう性格から、特定の個人が発信力を持つことに臆病であったともいえます。首長の発信力が強まってきた今、これまでは「ただ傍観するだけの地方議会でなかったのか」と反省せざるを得ません。
上村崇氏
わが京都府議会では、今までも住民に身近なところで常任委員会を開く、“出前委員会”のような取組みを行ってきました。これからは、それをさらに進め、多様な住民との意見交換をそれぞれの常任委員会が行い、それを議員間で討議して政策として高め、行政側に提案していくことが議会に求められます。その際、チームとして議会が行動すること、委員会が、ひいては議会全体として行動することが求められます。
地方議会は、ややもすると蛸壺化し、自らに関係のある選挙区だけをケアしていればよかった時代がありました。しかし、住民の目線は厳しくなり、議会がその地域の中で「しっかりと住民を代弁しているのか」「住民の多様な意見が討議を通じてまとめ上げているのか」を問われるようになっています。だからこそ、各地で行われる議会報告会、参考人招致などの取り組み、さらには議長による定例会見といった、議会全体としての情報発信の取り組みが求められます。
多様性という議会の特性を生かし、住民にとってなくてならない議会であるための取り組みに終わりはありません。発信力のある首長に対しては、発信し続ける議会を作り上げ、それがスタンダードになるように全国の仲間とこれからも取り組んでいきます。
- 著者プロフィール
- 上村崇:京都府議会議員。民主党所属。1972年6月1日、京都府京田辺市生まれ。1999年京田辺市議会議員に初当選し、2003年に京都府議会議員に初当選(現在3期目)。ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟共同代表。NPO活動を通じ、地域からの自発的な協働の動きにも取組んでいる。
京都府議会議員 上村たかし Officeal Web Site
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