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【LM推進地議連連載/地方議員リレーコラム】

議会から新しい大都市制度を!~私が議会でしたいこと~(2012/05/23 神奈川県相模原市議会議員 阿部善博/LM推進地議連)

ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟 連載・コラム政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載コラムを掲載しています。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信中です。第2回は、神奈川県相模原市議会議員の阿部善博氏による「議会から新しい大都市制度を!~私が議会でしたいこと~」をお届けします。

議会からの大都市制度の提言こそ、ぜひとも行われるべきこと

 大都市制度をテーマとした地方議員研修会「マニフェスト大賞2012キックオフ・ミーティング in 横浜 ~激論!大阪都構想とこれからの自治、議会のあり方~」(参照:政治山取材記事)が4月22日、23日の2日間にわたり開催され、100名を超える方にご参加いただきました。私の地元である相模原からも大勢の市議が参加し、「都道府県と政令市の二重行政解消」や「区単位での分権」と言った課題に対する議論に、熱心に耳を傾けていました。

 新たな大都市制度の議論では、既存の政令指定都市制度の枠を超え、「道州制」はもちろん、都道府県から政令市を独立させる「特別自治市」、反対に政令市と都道府県を一体化させる「都構想」、他にも神奈川県の「独立国」など、様々な視点からの個性的で魅力的な構想が出てきています。これらの議論は、行き詰まった地方自治と切迫した財政問題に、大きな風穴を開けてくれるに違いありません。政令指定都市のトップが集う、この度の「指定都市市長会議」でも、こうした多様な大都市制度の実現を求めるアピール文が採択されました。

 しかし、ここで残念なことは、こうした構想のほとんどが、それぞれの自治体にたった1人しかいない首長主導に見えることです。私は、首長からではなく、合議体である議会からの新しい大都市制度の提言こそ、ぜひとも行われなければならないことだと考えています。住民により身近な立場から、時には相反する思想から、人びとを巻き込んだ議論と合意形成を行い、結論を出す、これが議会の役割です。自分たちの未来を決める道筋として、住民の代表である議会が、その機能を存分に発揮する時が来ています。

神奈川県相模原市議会議員 阿部善博氏 神奈川県相模原市議会議員
阿部善博氏

 相模原市では、2012年5月の臨時議会において「大都市制度に関する特別委員会」の設置を決定しました。設置にあたり、議論を行った議会運営委員会では、「政令指定都市移行後の検証が必要」「都市内分権の話も一緒に行うべき」「まちの実情に則した、身の丈に合った議論をするべき」等の声がありました。自分たちのまちの新しい姿が、こうした1つひとつの議論の中から生まれてくる。そんな議会のあり方を、相模原でも模索しているところです。

 いろいろな所でお話をしていると、大都市制度に関しては、やはり大阪市の橋下市長の話題がよく出てきます。「橋下市長みたいにやってね!」なんて妙な応援(?)をされることもあります。「大阪都構想の内容がどれだけ正確に伝わっているのだろうか……」なんてことをつい考えてしまいますが、橋下市長の人気は、きっとその行動力、実行力にあるのだと思います。議会での合意形成には、時間も手間もかかりますが、決しておろそかにはできません。「急がば回れ」の言葉もあるように、きちんと市民と向き合い、発言すべきは発言し、とにかく積極的に行動する議会でありたいと思います。

 だからこそ、「議会から新しい大都市制度を!」。これが今の私のやりたいことです。

著者プロフィール
阿部善博:相模原市議会議員。1970年5月9日生まれ。神奈川県相模原市出身。2003年相模原市議会議員初当選(現在3期目)。ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟第4代共同代表を務める。地元での議会活動・地域活動の他、「電子自治体」「eデモクラシー」「ネット選挙」「議員の心得」「選挙川柳」等で特色ある取り組みを行っている。
やるぞ!阿部よしひろ http://abn.jp/

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