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【LM推進地議連連載/地方議員リレーコラム】

あなたの日常活動を見直してぜひ応募を~マニフェスト大賞への思い~(2012/07/25 静岡市議会議員 佐藤成子/LM推進地議連)

ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟 連載・コラム 政治山では、政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)と連携し、連載コラムを掲載しています。地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された団体のメンバーが、それぞれの実践や自らの考えを毎週発信中です。第11回は、静岡市議会議員の佐藤成子氏による「あなたの日常活動を見直してぜひ応募を~マニフェスト大賞への思い~」をお届けします。

少しの振り返り……

 2005年のローカル・マニフェスト推進地方議員連盟設立の前に、マニフェスト推進首長連盟が発足していたと記憶しています。北川正恭教授は「選挙の必需品として、“マニフェスト”というツールはなくてはならない。これまでの単なる選挙公約とは異なるもので、何を、いつまでに、いくら税金を使い、どのような方法で、その施策を実現するかまでを謳う、数字で見える選挙民との約束」と高らかに提唱しておられました。

 この頃は、マニフェストを定着させるべく、数々のセミナー・研修会が開催されました。「政策立案の仕方」や「そもそも政策とはどんなものなのか」を学ぶ、早大マニフェスト研究所主催の初の1泊2日の研修会に、私も参加しました。全国から集う地方議員、現状に不満なNPO活動や他の地域活動をしている人達いずれも、今置かれている自分の立ち位置を語り、「何とかしたい!」と情熱的に議論し合いました。

さまざまなマニフェスト……

 その後、マニフェストを掲げて選挙戦に挑む首長が増えていきました。首長らは当選後、市や県の施策と整合性を持たせて、マニフェストのPDCAサイクルで検証し、行政の見える化を実現しています。

 地方議員のローカル・マニフェストについて、「首長と違い、財源の執行権を持たない地方議会・議員は、そもそも数字で語れないのではないか? マニフェストの作成はできないのではないか?」という声が議会・議員当人から聞かれました。確かに、予算や工程表を入れた首長型のマニフェストを、議会・議員が作成するのは難しいと思います。

 しかし、マニフェスト大賞では、三重県議会など先進的な議会が取り組む「議会マニフェスト」「会派マニフェスト」などが表彰されています。これは、二元代表制の一翼を担う議会・議員として、チェック機能と政策提案機能を果たしているか? 議会・議員の責務を果たすためにどんな活動をしてきたのか? ということが評価されているのだと思います。

 変わらない・変えないことを原則としてきたように思える地方議会のあり方に対して、「このままではいけない、何とかしたい」と声を出し続けてきた「良識派議員」(北川教授は「マイノリティー」と表現していました)に光を当て、取り組みを全国に広げるツールとして、マニフェストそしてマニフェスト大賞が必要なのだと思います。

 国政ではパーティー・マニフェスト(政党マニフェスト)も、競って掲げられるようになっていきました。事務所や街頭にマニフェストを求めて来る選挙民を見て、市民・県民・国民は、マニフェストを読んでみようという動きになったと感じます。長い一党独裁を打破し、政権交代を実現させたのは“政党マニフェスト”でしたが、今では“うそつきの道具”のようにささやかれています。今こそ原点に返らなければ……。

で、私はと言えば……

静岡市議会議員 佐藤成子氏 静岡市議会議員
 佐藤成子氏

 私がマニフェスト大賞に関わったのは、第2回からでした。

 初当選後、会派形成の過程で、「まさか一緒にならないだろう」と思っていた、自民系と民主(連合推薦議員)系会派が連立しました。期の長い代表たちだけで決定したことです。マスコミは、「水と油が一緒になった。大連立?」と報道し、議員になりたての私は、いささか抵抗はありました。しかし、1人会派は自信がなかったので、そのまま参加したところ、なんと21人の最大会派に。外部からは否定的に揶揄もされましたが、だからこそ私は自分の会派が「超党派の政策集団であることを証明したい」と考え、会派で検討した政策提言『くらしあったか、静岡市』でマニフェスト大賞に応募したところ、何と地方議会部門で、「最優秀成果賞」を受賞したのです。なお、このとき、会派ホームページも応募していたのですが、一緒に入賞できました(次の年も入賞しました)。

 その後の2期目の選挙では、前述の会派はなくなりましたが、その精神を継いだ新たな会派「新政会」が2011年に応募したのは「新市長誕生に向けた『政策協定』とマニフェスト実行・総合計画と整合性、その比較」でした。市長選で政策協定を行い、市長マニフェストを会派で評価し、総合計画策定案への政策提言、市長との定期的な情報交換会実施などをしてきた活動が評価され、第6回「マニフェスト大賞優秀賞」を受賞できました。

 マニフェスト大賞の存在を知っていても、言い出しっぺにならない限り、積極的に応募してくれる人は少ないのではないでしょうか。「言い出しっぺ」の私としては、結果もついて来てくれてうれしい限りです。

そしてあなたへ……

 さあ~、あなたの議員活動を振り返って見ましょう。現状でよいならば、誰も議員などしていないと思っています。「この社会を何とかしたい!!」「こんなことが実現できないだろうか?」などなど、あなたの日常の議員活動の中にこそ、マニフェスト大賞応募の材料が眠っています。あなたのやっていることを検証し、ぜひ、応募してください。善政競争の仲間になりませんか?

著者プロフィール
佐藤成子(さとう・せいこ):静岡市議会議員2期目(来年3月選挙)。NPOなどのロビーイング活動に限界を感じ、直接声を届けるべく議員に。いずこも、女性が政策決定の場に少な過ぎる。人と会うことと議論することが大好き。旅行が趣味。現仕事は適職かも。

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