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    グリーンテーブルに参加して(2012/07/30 府中市議会議員 西宮幸一)

     日本の原発政策の特異な点は、使用済み核燃料を再処理させる「核燃料サイクル政策」を原発推進の裏づけとしていることです。核燃料サイクルの完成によって、資源小国ニッポンに原子力の資源リサイクルが生まれるというわけですが、これが実質破綻状態にあるのは、高速増殖炉技術の成立の見通しがほぼ断たれていること、再処理に伴う廃液などという扱いの極めて厄介なものを増加させ、高レベル放射性廃棄物の最終処分をますます困難とさせることからも、明らかです。

     しかし現在は、2030年の段階で目指すべき原発依存度の数値を《0%》《15%》《20~25%》の3つ、しかも《0%》以外は再処理継続に含みを持たせた選択肢の中から選ぶという、おかしな議論の進め方になっています。

     脱原発を実現させるには、原発再推進の「種火(たねび)」となり得る現行の核燃料サイクル政策の放棄を、政府方針とさせるためのロビイングが、運動の第一段階として不可欠ではないでしょうか。

     また、脱原発のもとで安定的な電力供給を確立させるためには、再生可能エネルギーへの転換がそう簡単ではないことを考慮すると、1980年代中ごろの水準にまで電力消費量を引き下げることが望ましいと言えます。その鍵になるのは、この約30年間で省エネ技術が発展し、生産拠点の海外移転が進んだ製造部門よりも、業務・家庭部門での対応だと考えます。これらの部門では、自治体の政策誘導にも一定の効力が期待できます。特に、各地の省エネ・電力使用量抑制策の経験交流が、重要となります。

     スケジュールの関係から、7月18日の発足会は途中で引き上げざるを得なかったのですが、今後の「グリーンテーブル」の大切な役割は、上記のように、核燃料サイクル政策の放棄に向けたロビイングと電力消費量レベルを引き下げるための活動の2点と考えています。その推進のため、私も微力ながら努力する決意です。

    府中市議会議員 西宮幸一
    西宮 幸一(にしみや・こういち)
    1966年生まれ。中央大学文学部卒業・明治大学専門職大学院ガバナンス研究科修了。2007年から、東京都府中市議会議員(現在2期目)。2011年より、民主党東京都府中市支部幹事長。議員職の前は、民間シンクタンク研究員として、ごみ・環境・市民参加政策の分野で長野県中信地区・横浜市・練馬区・台東区・岐阜市等の自治体の計画づくり等に約15年携わる。
    HP:Nishimiya-Koichi.net
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