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原発ゼロを目指し首長会議が発足(2012/05/01 政治山)

脱原発をめざす首長会議の設立総会脱原発をめざす首長会議の設立総会

原子力発電の利用に反対する地方の首長らの団体「脱原発をめざす首長会議」の設立総会が28日、東京都品川区の城南信用金庫本店で行われた。会では規約として、大飯原発の再稼働に反対する決議や政府に「原発ゼロ」を求めていく決議を採択した。

総会には、静岡県湖西市長の三上元氏や元東京都国立市長の上原公子氏ら現職・元職の自治体首長に加え、顧問として共産党の志位和夫委員長、新党日本の田中康夫代表、社民党の福島みずほ党首ら5人の国会議員のほか、元福島県知事の佐藤栄佐久氏ら約30名が出席した。

同会議の会員には、現職の首長と経験者を含め、5月1日時点で35都道府県70名が参加を表明している。世話人には福島県南相馬市長・桜井勝延氏、茨城県東海村長・村上達也氏と三上氏が、事務局長には上原氏がそれぞれ就任した。

設立総会の様子

三上氏(写真左下)は冒頭の挨拶で設立に至った経緯を説明。東電柏崎刈羽原発や東電福島第一原発の事故を契機に、脱原発の実現を進めていくことを決め、今年1月に横浜市で行われた「脱原発世界会議」をきっかけに首長有志が意気投合し設立を決定したという。
また、住民に近い自治体の首長の立場から、脱原発と再生可能エネルギーの導入推進を行っていくと述べた。

総会では、拙速な大飯原発の再稼働に反対する決議や、政府が今夏に策定する予定の「エネルギー基本計画」に原発ゼロを盛り込むよう求める決議を採択した。そのほか、勉強会の開催や視察の実施、国会議員への政策提案などを今後行っていくという。

記者会見では、出席した首長らから脱原発への思いが各々語られた。(写真右下)
福島第一原発事故により多くの住民が避難を強いられた南相馬市の桜井市長は、大飯原発の再稼働について「福島で起きたことを学習していない」とし、住民が希望を持てなくなっている現状に触れつつ、「新しいエネルギー政策の転換をしなければならない」と訴えた。

会員のなかで唯一、原発を抱える自治体から参加した東海村の村上村長は、「歴史的に意味を持つ会が設立できた。脱原発を自信を持って進めていきたい」と意気込みを語った。

  • 湖西市長の三上元氏、元国立市長の上原公子氏
    三上元・湖西市長(左)と上原公子・元国立市長(右)
  • 記者会見で桜井市長、村上村長が思いを述べた
    記者会見に臨む桜井勝延・南相馬市長(左)と、
    村上達也・東海村長(右)

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