[島根・松江市]共生社会とは…見守る“温かい気持ち”を共有する社会  |  政治・選挙プラットフォーム【政治山】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トップ >  記事 >  ピックアップ広報紙 >  [島根・松江市]共生社会とは…見守る“温かい気持ち”を共有する社会

[島根・松江市]共生社会とは…見守る“温かい気持ち”を共有する社会 (2019/11/4 マイ広報紙

この記事は「市報松江 2019年11月号『だれもが住みよいまちに~こころのバリアフリーを広げましょう~』」を紹介し、コメントしたものです。

 ある日、やや混んでいる地下鉄に乗っていたところ、大きな盲導犬を連れた女性が乗ってきました。私を含め立っている人みんなでスペースを空け通れるようにすると、優先席に座っていた若者がすっくと立ち、席を譲りました。それでも犬が優先席の前に座ったら、誰かが犬の足を踏んでしまうのではないかと、みんなで固唾をのんで様子をうかがっていました。すると席に飼い主を誘導し終えた犬は、座った飼い主の足の裏側にすり寄り、椅子と足とのわずかな隙間に滑り込んで身を丸め、小さくなったのです。なるほど、これで飼い主の足に守られて、立っている人に踏まれなくてすみます。その様子を見て、みんなで目と目を合わせて、微笑みあいました。

 この出来事を思い出したのは、島根県松江市の広報紙『市報松江 2019年11月号』の特集「だれもが住みよいまちに~こころのバリアフリーを広げましょう~」を見たからです。この記事には、障がいの内容別に配慮や注意する点が、具体的に書かれていました。

 例えば、知的障がいの人には、ゆっくりと話しかける、言葉だけでなく絵や写真で伝える、パニックを起こしたら、落ち着ける場所へ誘導する…といった具合です。

 私たちは、障がいのある方を目の前にしても、どのように関わっていいのかわからないことが多いものです。この特集を読んでおくことで、いざという時に、どのように接したらよいのか具体的にイメージすることができることでしょう。こうした知識を共有しておくことは、共生社会の実現のためには必須です。

 先ほどの話ですが、電車に乗ってきた盲導犬を見て、乗客は誰一人、騒ぎ立てませんでした。盲導犬に声をかけたり、触ったりしてはいけないことを知っていたからです。知識が活かされた場面でした。でもその後、どのようにしたらいいのかわからず、席を譲った青年以外はただ見守っていました。でも、紙面には、視覚障がいの方のこんなコメントが掲載されていました。「手伝いをお願いすることは少なくても…気持ちは嬉しく思っています」。見守る、気にかけていることでよかったのだと、安堵しました。

 盲導犬の賢い行動に、電車の中のみんなが感心し、微笑み合ったことで、私の心までほっと温かくなりました。人を思いやる気持ち、気遣う気持ちに触れると、周囲のみんなが嬉しくなるものなのですね。 共生社会とは、こういう温かさを共有する社会なのではないかと思いました。

  • [筆者]「子供のお金教育を考える会」代表、文部科学省消費者教育アドバイザー、神奈川県消費生活審議会委員、経済教育学会理事 あんびるえつこ
  • [参考]市報松江 2019年11月号

提供:マイ広報紙

関連記事
松江市の人口・財政・選挙・議員報酬
電話リレーサービスは重大な公共インフラ―首相答弁引き出した薬師寺みちよ参院議員に聞く
分身ロボットは社会課題解決の光明―加藤総務会長、石破元幹事長らが視察
「True Colors Festival-超ダイバーシティ芸術祭-」に関する記者会見を開催
多目的トイレ(障害者や乳幼児)の洗面台がバリアフリーじゃない