[静岡・森町]平成28年度予算 当初は骨格予算でスタート (2016/4/29 本田正美)
この記事は「広報もりまち 2016年4月号『平成28年度予算 当初は骨格予算でスタート』」を紹介し、コメントしたものです。
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「骨格予算」。
何か耳慣れない言葉だと思いますが、首長の選挙などを控えて、必要最小限度の経費だけを計上して編成される予算のことを指します。
今回取り上げる静岡県森町はまさに今年2月に町長選挙があった関係で、当初の予算は骨格予算として編成されました。今後、4月の議会で補正予算を編成することで「肉付け」が行われることになります。森町の場合、新しい町長が誕生しましたので、この「肉付け」の部分で新町長の個性が発揮されることにもなります。
森町の広報紙に掲載されているのは、骨格予算の概要です。
骨格予算は必要最低限度の経費を計上してと書きましたが、実際のところ、自治体の歳出の大半はこの必要最低限度の経費ですので、新しい首長が自らの政策を展開しようにも、予算上はそれほどの余裕がありません。
森町の一般会計予算の推移が広報紙の記事中に記載されているのですが、それを見ると、平成23年が約64億円、平成24年が約63.9億円、平成25年が約66.9億円、平成26年が約67.3億円、平成27年が74.1億円となっています。そして、骨格予算である平成28年は約62.4億円が計上されています。前年度と比較すると平成28年度予算は大きく額を減らしていますが、近年の中ではそう大きく趨勢を外していません。
これは、つまり、自由に首長が政策的事業に予算をつけて、それを実施することが容易ではないことを意味しています。
このように予算に自由度がないという課題は、自治体に限らず、日本国政府そのものも同様に抱えています。
このような日本政府や自治体の予算の状況については、各地の広報紙4月号の記事中に説明されていることが多いので、是非一年に一度、自分の住んでいる自治体の予算の状況に関心を払いたいものです。
- [著者]島根大学研究機構戦略的研究推進センター特任助教、東京大学大学院情報学環交流研究員 本田正美
- [参考]広報もりまち 2016年4月号