深刻な高齢者ドライバー問題 (2018/8/27 クオリティ埼玉)
高齢者ドライバーによる事故が後を絶たない。去年1年間に75歳以上のドライバーが起こした死亡事故は全体に13%余と増加の一途をたどる。
先日、92歳男性の運転する車に同乗した。現役バリバリの社長だ。平日は運転手がいるのだが、休日は自ら運転している。正直怖かった。ブレーキを踏むタイミングがかなり遅いので急ブレーキが多く、急発進も多い。
ある調査では80歳代の人の7割が運転に自信があると答え、そのうちの4割が事故を起こしている。長年運転をしてきたことイコール自信に繋がっている。自分は大丈夫と思うことほど怖いことはない。
75歳以上の高齢者には記憶力や判断力を調べる「認知機能検査」が更新時に行われる。「認知症のおそれがある」と判定された場合は、医師の診断が義務づけられる。しかしその手前の少し記憶力、判断力が低下している場合は「認知機能低下の恐れあり」と判定されるが、医師の診断を受ける必要はなく、3時間の講習をうければ、免許の更新が可能になる。
何歳になっても色々な理由で免許を更新しなければならない高齢者は多い。足が悪くて病院に行けない、買い物にいけないなど理由は様々。
最近では免許返納が家族のなかでも大きな問題となっている。高齢者ドライバーの事故を減らさなければならない。だが返納すればそれで済むという問題ではない。家族、地域、行政がそれぞれの立場でもっと真剣に考える必要がある。運転は自己責任、そして社会の一員としての責任なのである。
馬淵凛子
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