タダほどウマい話はない (2018/7/2 瓦版)
変人・安田の境目コラム
私がタダ働きをする理由
値下げは自分を安売りする行為。だから私は値下げをしません。でもタダ働きは、時々します。それは自分の価値を上げるため。
タダなんて究極の値下げである、と言いたくなるかもしれません。でもそれは大間違い。タダと値下げは全くの別物。そもそも安売りとは、金を欲する行為に他なりません。安くてもいいから、買ってほしい。少しでもいいから、お金が欲しい。つまりは、そういう事。
でもタダ働きは違います。だってタダなんですから。一円も受け取らないわけですから。金なんて、ハナから欲していないのです。
タダほど高いものはない。なんて言いますけど、その通りです。それは、とてつもなく大きな借り。あるいは、とてつもなく大きな貸し。貸し借りはいずれ、きちんと清算されます。食べれば太る。運動すれば筋肉がつく。上に投げれば落ちてくる。それが自然の摂理。
タダが人間の幻想であるといえる理由
タダ、なんてものは無いのです。それは人間が作った幻想。単なる思い込み。不自然極まりないルール。
私たちは、お金に縛られすぎ。だから見えなくなっているのです。お金以外の流れ、というものが。それはとても自然な流れ。
何かをやる、という作用には、その反動として何かが起こる、という反作用がついて回ります。どんな事にも、必ず。
タダで仕事をすると、人に喜ばれる。感謝される。人に喜ばれ、感謝されると、自分も嬉しい。気持ちいい。不思議なエネルギーが自分に向かって流れ込み、やる気が満ちてきて、運が良くなり、スキルもアップし、人との出会いが頻繁に起こる。
それは科学では証明できないけれど、お金という物差しでは測れないけれど、確かに行われる等価交換。この宇宙を形作る法則。ギブアンドテイクと呼ばれるもの。タダほど上手い話はないのです。
<プロフィール>安田佳生(ヤスダヨシオ)
1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、1990年ワイキューブを設立。著書多数。2006年に刊行した『千円札は拾うな。』は33万部超のベストセラー。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけたY-CUBE(ワイキューブ)は2007年に売上高約46億円を計上。しかし、2011年3月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。その後、個人で活動を続けながら、2015年、中小企業に特化したブランディング会社「BFI」を立ち上げる。経営方針は、採用しない・育成しない・管理しない。最新刊「自分を磨く働き方」では、氏が辿り着いた一つの答えとして従来の働き方と180度違う働き方を提唱している。同氏と差しで向き合い、こだわりの店で食事をし、こだわりのバーで酒を飲み、こだわりに経営について相談に乗ってもらえる「こだわりの相談ツアー」は随時募集中(http://brand-farmers.jp/blog/kodawari_tour/)。
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