若手社員の離職率が高い本当の理由とは (2017/12/2 瓦版)
若者離職率の高い理由が分かる信じがたい事実
若者3年離職率3割は必然だった…。与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター(株)(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本 太一、以下 リスモン)が、「若手社員の仕事・会社に対する満足度」を調査。その結果、信じがたい事実が判明した。調査対象は若手新卒社員600人。
まず、「仕事・会社に対する勤続意欲」についての質問。「3年後も勤務し続けていると思う」(回答率58.2%)は58.2%だったが、「3年後は勤務し続けていないと思う」も41.8%と高めで4割を超える結果となった。
男女別では、男性で「3年後も勤務し続けていると思う」(同68.3%)が大幅に上回っていたのに対し、女性では「3年後は勤務し続けていないと思う」が52.0%となり、5割を超える結果となった。
さらに入社年次別では「3年後も勤務し続けていると思う」と回答したのは「新卒入社1年目」で59.0%、「新卒入社2年目」で64.0%にアップする一方で、「新卒入社3年目」では同51.5%に低下する結果となった。
若者の3年離職率3割は長らく続いているが、これらの結果からは、入社してみて合わないからというよりも、入社前のキャリア設計の段階で、4割近い若手社員が、すでに所属企業での3年先を見据えていないことが分かる。昨今は売り手市場ともいわれるだけに、結果は意外な感もあるが、そもそも会社に終身契約の期待をしていない裏返しともとれるだろう。
若者だけでなく働きたくなる会社にすることが必須の時代に
それを裏付けるような結果も出ている。「3年後は勤務し続けていないと思う」と回答した理由について、最も多かったのが「給料が低いから」(回答率44.2%)。以下「仕事にやりがいを感じないから」(同30.3%)、3位「最初から転職するつもりだから」(同16.7%)と続いている。もはや会社への期待もなければ忠誠心もないということなのかもしれない…。
ただし、この結果をうのみにできない結果も出ている。それは、勤務先に対するブラック企業の意識についての調査結果だ。「勤務先はブラック企業だと思う」が33.0%。「勤務先はホワイト企業だと思う」(同67.0%)の半分以下だが、3人に1人は自社をブラック企業と感じている。となれば、3年以内に辞めたいのも当然といえ、額面通りに数字を受け取るのは健全とはいえないだろう。
調査を行った同社は、結果について「今や終身雇用は過去の話と言われ複数回の転職を重ねるビジネスパーソンも少なくありません。しかし会社にとって若手社員は数十年先の自社の未来を築いていくための非常に重要な経営資源の一つであるといえます。『最初から転職するつもりだった』という若手社員でも、『この会社で長く勤めたい』と思わせることができるような会社にしていくことは勿論、優秀な人材に『この会社に転職したい』と思われる魅力ある会社にしていくことが現代の経営に求められています」と考察する。
時間とコスト掛けた採用した人材が、始めから長くいるつもりがないとしたら、企業はリターンを得る前に大きな損失を被ることになる。腰掛で入社されては、企業はやせ細るだけだ。この結果は参考程度にするにしても、頭の片隅は置いた上で、「働いてみたい」と思われる企業になる努力を惜しまない。人手不足を嘆いているだけでは、いつ窮地に陥ってもおかしくない。そんな時代に投入している。
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