レゴブロックで課題解決?! 大人が夢中になってレゴをするわけ (2017/3/31 JIJICO)
最近話題のレゴを使ったワークショップとはなにか?
2017年4月1日、名古屋に「レゴランド・ジャパン」がオープンします。レゴ®ブロックと言えば、子供のこころをがっちりとつかむ玩具ですが、このおもちゃを子供に独占させていませんか。今、レゴ®ブロックを活用したワークショップや研修を導入する企業が増えています。
レゴ®シリアスプレイ®メソッド(LSP)とは、スイスのIMD、米国のMIT、Tufts大学等の協力を得て、デンマークのレゴ社が開発した手法です。組織の中で起きている課題を解決するために、専門のトレーニングを受けたファシリテータが専用のブロックを使いながらその解決に向けて支援をしています。LSPでは、参加者全員がレゴ®ブロックをテーマに沿って組み立てていきます。曖昧で言語化しにくい思考や考えをブロックで組み立てることにより、「見える化」することが可能になります。組み立てた作品について語り、共有し、理解を深めることで新たな気づきや学びを得ていきます。
レゴ®シリアスプレイ®を導入する理由とその効果
これまで、ビジネスでは理論や理屈が重要視されてきました。ブレーンストーミングや戦略策定会議など議論は尽くしたものの、成果に結びつかない、メンバーがコミットしないなどといった課題を残していました。
LSPでは、レゴ部品を積極的に動かしながら、何らかの形を構成しながら頭の中で新しい知識、見方を構成していく、というアプローチを取っています。新たな局面に向けて現状を打開するために、ワークショップや研修を導入した企業では、以下のような効果が得られています。
・自分では意識していなかった思いを知ることができた
・言葉で表現することが難しい考えを表現することができた
・仲間が大切にしている思いを知ることができた
・他者(他部門)との関わり方を再発見することができた
・全員の思いを入れたチームビジョンを造り上げることができた
・全員がコミットして行動に移すことができた
レゴ®シリアスプレイ®を導入する際の注意点
LSPは、現実に起こっている問題や課題について考え、他者と連携しながら解決に導いていくための手法です。チームがよりよくコミュニケーションし、計画を立て、チームを機能させるために、何をどのように意思決定していくかを導き出していきます。
コミュニケーション能力、リーダーシップ、プロジェクト管理などといった特定のスキルを身につけるタイプの研修ツールではありません。課題解決に向けた選択肢を考え、新しい理解を共に得て、先に進むための意思決定と方法と合意形成のプロセスそのものです。
とてもダイナミックで参加者の満足度が非常に高いメソッドです。メンバーに主体的に取りくんでほしいテーマやこれまでの慣習を取り払って新しいやり方を見つけたいこと(試したいこと)など、実施後の参加者に何を期待するかを設定しておくことが重要となります。
現在、日本国内には200名弱のLEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング終了認定ファシリテータ がいます。各々の経歴や得意領域が異なります。実施後の期待値、ファシテータと参加者の相性などを考慮に入れ、状況にマッチしたファシリテータに依頼することをお勧めします。
- 著者プロフィール
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大野 祥江
人事コンサルタント/キャリアコンサルタント
大学院修了後、経営コンサルティング会社、企業の人事部門を経て、人事・採用・人材育成分野のコンサルタントとして、採用コンサルテーション、管理職選抜アセスメントなどに携わる。また、研修講師として階層別研修・目的別研修を担当し、さまざまな業界の人材育成に携わる。2015年、仕事と向かい合い、成長を目指す人を応援すべく「Work-project.」を設立。 これまでに、人事評価制度の改定、採用における評価軸・評価ツールの作成、採用代行支援、チームビルディングなどを実施。 ■資格所属学会/資格 日本労務学会/人材育成学会 国家資格 キャリアコンサルタント 米国CCE,認定 GCDF-Japan キャリアカウンセラー LEGO® SERIOUS PLAY®メソッドと教材活用トレーニング終了認定ファシリテータ
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