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介護現場へのコミュニケーションロボット導入、1,000台規模の実証調査実施へ (2016/4/4 QLife

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ロボット導入効果を定量的に分析

 音声認識機能や顔認識機能、通信機能などを備え、対人コミュニケーションを支援する「コミュニケーションロボット」。複数のメーカーが開発を進め、介護の現場への導入も進みつつあります。導入の効果については、笑顔や会話が増えたなどの定性的な報告がなされています。

ロボット

 一方で今後の介護現場でどのような活用が想定・期待されるかを予見するための定量的な指標はありません。また、今後、介護の質的向上を図っていくためには、こうしたコミュニケーションロボットがその機能や特徴に応じて適正に活用されることが重要になってきます。

 そこで、日本医療研究開発機構(AMED)は、コミュニケーションロボットの導入効果を定量的に調べるため、大規模な実証調査を実施することにしました。市販品など入手可能な20~30種類のロボット1,000台を介護現場で活用し、その効果を測定する取り組みです。

調査に参加するロボットを公募

 AMEDでは実証調査を行うにあたって、まず、対象のロボットを公募します。ロボットの審査は、AMEDが「基準策定・評価事業者」として指定した学術・医療機関が行い、さらに外部評価委員の意見も踏まえて、実証調査の対象ロボットとするか検討、決定します。

 ロボットの選定後、収集するデータや活用方法についてAMEDが一定のフレームワークを示し、調査への参加を希望する介護施設を公募。実際にロボットによるデータ収集を行います。得られたデータは学術・医療機関が解析し、ロボットメーカーにフィードバックします。

 実証調査により介護現場で求められている機能を特定し、今後のロボット開発の方向性を明確にする予定です。導入効果を定量的に示せれば、介護現場で受け入れられやすいロボットの開発も促進されるでしょう。介護施設や家庭へのロボットの普及も期待されています。(林 渉和子)

掲載元:QLife

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