【行政】震災以前以後の比較にも -「平成22年度行政投資実績」公表 ネット選挙ドットコム 2013年3月29日
総務省は、2013年3月22日、国や地方公共団体が行った投資的事業の事業別、都道府県別の実施状況などを調査した「平成22年度行政投資実績」を取りまとめたデータ結果を公表しています。
同レポートによると、「行政投資」の総額は、21兆9,901億円で、前年度(23兆8,577億円)と比べて1兆8,676億円、率にして7.8%の減少となりました。これは、対前年度比で、「国主体」の事業(投資額4兆4,971億円)が、21.3%、「都道府県主体」の事業(同7兆1,973億円)が、5.5%、「市町村主体」の事業(同10兆2,958億円)が、2.2%、それぞれ減少したことによります。
主要事業別にみると、「道路(5兆7,460億円)」が、総投資額の26.1%を占めました。次いで、「文教施設(2兆3,235億円:10.6%)」、「国土保全(2兆413億円)」などの事業が続きます。前年度との比較でみると、それでも、「道路」や「国土保全」など、占める構成比の大きい事業が、前年度を下回った結果、全体で7.8%の減少となっています。
目的別にみると、「生活基盤投資(11兆1,461億円:50.7%)」が最も高く、以下、「産業基盤投資(4兆2,924 億円:19.5%)」、「国土保全投資(2兆413億円:9.3%)」と続いています。前年度の投資額と比較すると、「生活基盤投資」が、5.2%、以外は、10%を超える率で減少しています。
都道府県別でみると、最高は、「東京都(2兆4,948億円:11.3%)」で、以下、「北海道(1兆5,474億円:7.0%)」、「愛知県(9,371億円:4.3%)」の順となっています。対前年度増減をみると、47都道府県のうち、増加していたのは、「石川県(1.4%)」、「兵庫県(0.5%)」の2県のみで、減少したのは、大きい順に「宮城県(27.0%)」、「岩手県(18.0%)」、「茨城県(16.7%)」となっています。
1人当たりの行政投資額は、全国平均で、17万1,721円(前年度実績では、18万7,105円)となっています。また、可住地単位面積(1平方キロメートル)あたりでは、全国平均で、1億7,645万円(前年度実績では、1億9,144万円)となっています。都道府県別1人あたりの行政投資額をみると、全体的に“地方圏”に属するところの投資額が多くなっていますが、可住地単位面積あたりの額をみると、東京都、大阪府、神奈川県の順で、“大都市圏”に属するところの投資額が多くなっています。
ちなみに、“大都市圏”は、関東、東海、近畿の3ブロックが該当します。“地方圏”は、それ以外のブロックです。
“大都市圏”、“地方圏”の事業目的別をみると、“大都市圏”では、「生活基盤投資(58.3%)」が高い一方、「農林水産投資(3.6%)」、「国土保全投資(7.6%)」と低い割合になっています。また、“地方圏”では、“大都市圏”に比べて、「生活基盤投資(42.3%)」が低く、「農林水産投資(10.6%)」、「国土保全投資(11.1%)」などが、高い割合となっています。
政府部門による投資のことを「公共投資」と呼びますが、そのなかの、国の一般会計や地方公共団体の普通会計、特別会計のうちの非収益的事業にかかわるものが、今回の「行政投資」にあたります。それ以外の公団・地方公営企業などや国・地方公共団体の収益的事業にかかわるものを「産業投資」と呼びます。東北大震災の発生は、平成23年の3月。「国土の強靭化」が叫ばれ始める前の数字です。
▼外部リンク
総務省 プレスリリース
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