【経済】一部の食品は値上げが避けられない情勢 株式会社フィスコ 2014年6月17日
ハムやチョコレートなどの食品の値上げが相次ぎそうだ。 4月の消費税率引き上げ後ということもあり消費者マインドをこれ以上冷やさないために、内容量を減らして価格は据え置く「実質値上げ」で対応する企業もあるが、内容量の減量には限界がありメーカーには厳しい夏になりそうだ。
豚肉の主要輸入先であるアメリカで発生した豚流行性下痢(PED)の影響により原材料価格が高騰しており、日本ハムは、ハム、ソーセージなどの加工食品を7月1日から平均10%実質値上げすると発表している。計284品目が対象で、内容量の減量か価格を引き上げる。原材料価格の高騰と電気代などのエネルギー価格や梱包資材の値上がりで計約54億円のコスト増になるため、自社努力だけで吸収するのは困難と理解を求めた。伊藤ハムも7月から同様に平均10%の値上げを実施する。また、今月に入って丸大食品も8月1日からハム・ソーセージなどの加工食品134品目を平均約10%値上げすると発表した。全体の6~7割程度の商品については5~15%減量して実質的な値上げを行い、残りの商品については価格を引き上げる。
チョコレートについても、明治は7月から「ミルクチョコレート」を55グラムから50グラムに減らし、縦横を約1センチずつ小さくする。また、「アーモンドチョコ」をこれまでの1パック23粒から21粒に減らすなど、計10品目を4~9%減量する。また、森永製菓も7月から「チョコボール」や「ダース」など14品目を4~8%減量、ロッテも8月から「コアラのマーチ シェアパック」など6商品を17~26%減量するという。各社、価格を据え置いた実質的な値上げにより対応しようとしているが、新興国でのチョコレートの需要増が顕著となっており、今年に入ってカカオの価格は9%上昇し2011年以来の高値をつけるなど、カカオの需要に供給が追い付いていないことが明らかになっている。それに加え、円安や天候不順などによりますます原材料のカカオは高騰しそうで、いつまでも「実質値上げ」での対応は難しいと思われ、各社厳しい選択を迫られそうだ。 <YU>
- 株式会社フィスコは、投資支援サービス等を提供するプロフェッショナル集団です。2013年4月19日に、インターネットを使った選挙活動を解禁する公職選挙法の改正に伴う新たなコンテンツ提供を発表し、各政治家の発言要約や影響分析のコンテンツ提供を開始しており、その付加価値向上に取り組んでいます。