週刊ダイヤモンド今週号より~2020年“総予測”:日本と世界が作る未来像とは 株式会社フィスコ 2013年12月24日
東京五輪開催まであと6年ですが、それまでに日本と世界はどのように変わるのでしょうか。例えば、五輪までに東京では多くのホテルが建設され、道路整備が加速度的に進む運び。訪日外国人数が2000万人に達する日が近くなる中でホテル業界が潤いを増し、道路・鉄道では臨海部と羽田へのアクセスが飛躍的に向上すると見込まれています。
新年合併特大号となる今週号の週刊ダイヤモンドでは、2014年から2020年までの「総予測」について特集記事を組んでいます。
投資家にとって関心の高い「産業・企業」についての見通しも取り上げており、【自動車】では燃料電池車の市場投入でエコカー競争が最終戦へ向かうと予測しています。東京五輪は「日本のテクノロジーを大々的にアピールできるチャンス」であり、各社がこぞってエコカー開発にしのぎを削っています。
世界販売トップのトヨタ自動車はコンセプトカー「FCV」を発表。2010年代半ば以降に運転支援システムを標準装備することを目指します。ホンダは遅くとも2020年までに運転支援システムを標準装備し、車車間通信などモビリティをコミュニケーション手段に活用。日産自動車は2020年までに完全自動運転を開始すると明言し、人工知能で認知・判断・操作して“事故ゼロ社会”を目指すとしています。
【流通】業界ではスマートホン(スマホ)の普及で電子商取引(EC)市場が拡大し、ネットとリアルの攻防が激化すると特集は予測しています。消費増税による買い控えや価格志向の高まりで業界内での競争は一段と激化すると指摘。注目企業のひとつであるイオンは13年8月にダイエーを株式公開買い付け(TOB)により連結子会社するなど、今後もさらなる企業買収に乗り出す可能性があります。
五輪効果を受けやすいとされる【ゼネコン・不動産】ですが、一方でコスト上昇に戦々恐々としていると記事は強調しています。これまでの業界では、仕事が激減する中で職人や設備を減らすことで生き残りを図ってきました。そこにいきなり仕事が大量に降ってきて、ゼネコン各社は対応に苦慮しているようです。人件費も資材費も高騰しており、関係者は「いつ落ち着くのかわからない」との声が漏れているとか。
興味深いのは【ビッグデータ】の未来。2013年6月には、JRがICカード「Suica」の利用情報をビッグデータ解析用に販売を開始しました。これを受けて日立製作所が駅周辺のマーケティング情報として分析し、関連する企業にレポートを販売するとのビジネスを発表。ただ、個人情報保護の観点から各方面から異論の声が上がり、JR東日本は9月に設置した有識者会議の結論が出るまで、データ販売を当面見合わせる決断を下しました。
こうした状況下、記事では「もともと日本企業はIT投資についての意欲が米国に比べて低い」と喝破。特にITを“攻め”に使うのではなく、コスト削減や業務効率化という“守り”に使う傾向が強いと指摘しています。 <NT>
- 株式会社フィスコは、投資支援サービス等を提供するプロフェッショナル集団です。2013年4月19日に、インターネットを使った選挙活動を解禁する公職選挙法の改正に伴う新たなコンテンツ提供を発表し、各政治家の発言要約や影響分析のコンテンツ提供を開始しており、その付加価値向上に取り組んでいます。