週刊ダイヤモンド今週号より~“強いトヨタ”が帰ってきた、過去最高益を生み出す秘密とは? 株式会社フィスコ 2013年11月25日
トヨタ自動車の6期ぶりの過去最高益が現実味を増してきました。2008年以降、リーマンショックや大規模リコール、東日本大震災、タイ洪水、超円高など繰り返し地獄を経験したにもかかわらず、“強いトヨタ”が帰ってきたのです。
今週号の週刊ダイヤモンドでは、2009年に14年ぶりの大政奉還として登板した豊田章男社長を直撃。過去最高益を前にしても浮かれた社員は1人もおらず、「持続的成長が大事」だと述べる章男社長ですが、同氏はトヨタの何を変えたのでしょうか。「喜怒哀楽」をテーマにした4部構成で章男社長の功罪に迫っています。
強いトヨタの源泉となったのが、5期連続で年間3000億円にも及ぶ原価低減です。その実現の裏には従来とは異なるサプライヤー戦略があり、脱純血主義の徹底でデンソーやアイシンなどがトヨタの好決算に大貢献するようになりました。
また、トヨタが取った手法の中に、毎年2回の定期的な値下げ要請があります。同社は1次サプライヤーに対して年率で約1%ずつ製造原価を下げる要請をしており、約1000億円の原価低減を可能にしました。
一方、下請けメーカーの本音は「もう、できん」。特集では下請けの覆面座談会「章男社長にモノ申す!」を掲載しており、原価低減の実現に隠された下請けの悲鳴やトヨタの狡猾さなどが赤裸々に記されています。
このほか、特集では「トヨタに依存する日本経済」という興味深いコーナーを設けています。トヨタをはじめとする自動車産業全体が日本から完全に撤退したらどうなるのか?第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミストの試算によると、失業率は4.3%から7.9%に3.6ポイント上昇。国内総生産(GDP)は95兆円減って380兆円となり、税収は44兆円から26兆円に約半減します。これまでの過去最悪の失業率は5.7%で、裾野の広い自動車産業がいかに日本経済を支えているかがわかります。
トヨタ創業者の豊田佐吉は「上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐるべし」と言い切りました。国の発展のために雇用を守り、ものづくりを残す。その重荷を担いながらもグローバル競争を生き残らなければならない点に“トヨタの哀しみ”があると記事は指摘します。 <NT>
- 株式会社フィスコは、投資支援サービス等を提供するプロフェッショナル集団です。2013年4月19日に、インターネットを使った選挙活動を解禁する公職選挙法の改正に伴う新たなコンテンツ提供を発表し、各政治家の発言要約や影響分析のコンテンツ提供を開始しており、その付加価値向上に取り組んでいます。