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ハト派色を強めるECB、ユーロ高への警戒感あらわにも  株式会社フィスコ 2013年11月5日

関連ワード : イタリア 

イタリアのサッコマンニ経済・財務相はこのほど、通貨ユーロの上昇がユーロ圏のぜい弱な景気回復の足かせになりかねないとの警告を発しました。

ユーロ・ドル相場は今年7月から上昇基調を強め、一時は約2年ぶりの高値水準まで到達。足元では急速に調整色を強めていますが、それでも年初から2%以上の上昇率を保持しています。

今週7日には欧州中央銀行(ECB)の政策理事会が控えていますが、ここでは“極めてハト派的な発言”が予想されています。

きっかけになったのは10月31日に発表された10月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)で、前年同月比での上昇率は0.7%と市場予想の1.1%を下回る結果となりました。また、同日に発表された9月の失業率は予想を上回る12.2%と過去最悪を更新。市場ではECBが早ければ11月の会合で政策金利(リファイナンスオペの最低応札金利)の引き下げに動くとの見方が台頭しました。

とはいえ、単月のCPIは中期的なインフレ見通しの判断を変更するのに十分ではないとの観測から、いまや今週の会合では利下げが見送られるとの意見が優勢となっています。

ただ、12月の利下げの地ならしとして、今月の会合では極めてハト派的な発言が打ち出されるとともに、最近のユーロ上昇についての論調が強められると見込まれています。

こうした中、シティグループはいまや世界の主要中央銀行の中でECBが最もハト派だと指摘。数週間前の「ハト派→タカ派」並びは「米連邦準備理事会(FRB)→日銀→ECB→イングランド銀行(英中央銀行)」だったのが、現在は「ECB→日銀→FRB→イングランド銀行」に変化したと分析しています。 (フィスコ・リサーチ・レポーター) <RS>

株式会社フィスコ
株式会社フィスコは、投資支援サービス等を提供するプロフェッショナル集団です。2013年4月19日に、インターネットを使った選挙活動を解禁する公職選挙法の改正に伴う新たなコンテンツ提供を発表し、各政治家の発言要約や影響分析のコンテンツ提供を開始しており、その付加価値向上に取り組んでいます。
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