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NYの視点:米10月雇用統計に不透明感、相場に荒れる兆し  株式会社フィスコ 2013年11月5日

関連ワード : アメリカ 金融経済 

2013年度の投票権を有し中立派のブラード・セントルイス連銀総裁だけでなく、他のFRB関係者も10月の政府機関閉鎖による経済への影響は「限定的」と見ている。しかし、エコノミストは、政府機関閉鎖が10月の米国経済活動に与える影響に関して不透明感を強めているようだ。8日に米国労働省が発表する予定の10月の米雇用統計予想で、見方が大きく分かれた。ブルームバーグ社の75名を対象としたエコノミスト予想では非農業部門雇用者数で最低が5万人増、最高は17.5万人増となった。民間部門雇用者数の予想も最低で7万人増から最高で17.6万人と広い幅となっている。

ダウジョーンズ/ウォールストリートジャーナルが33人のエコノミスト対象に実施した調査では、雇用予想の中間値は12万人増だった。しかし、予想値は最低7.5万人増から最高17.5万人増までと、差は10万。過去4ヶ月の予想値の幅は平均で5.6万だった。失業率予想は7.2%から7.6%のレンジ。米労働統計局(BLS)は、政府機関閉鎖のため一時解雇されていた職員、あるいは閉鎖の影響を受けた労働者を「失業者」として扱うとすでに発表している。このため、失業率が上昇する可能性を指摘するストラティジストもいる。労働省によると16日間の政府機関閉鎖で、70万人ほどの政府職員が一時解雇になったという。

経済で予期せぬ事象が起きた場合、度々、雇用の見通しに大きな差が出る。昨年のハリケーン・サンディ発生直後に発表された2012年11月雇用統計でも予想値に12万の差が見られた。JPモルガンは、今回の政府機関閉鎖が政府職員に加え、間接的に30万人の民間雇用に影響を与えたと分析している。米10月雇用統計への不透明感が強く、相場が荒れる兆候が示された。

●市場エコノミスト米10月雇用統計平均予想 失業率:7.3%(8月:7.2%) 非農業部門雇用者数:前月比+12万人(+14.8万人) 民間部門雇用者数変化:前月比+12.5万人(+12.6万人) <KO>

株式会社フィスコ
株式会社フィスコは、投資支援サービス等を提供するプロフェッショナル集団です。2013年4月19日に、インターネットを使った選挙活動を解禁する公職選挙法の改正に伴う新たなコンテンツ提供を発表し、各政治家の発言要約や影響分析のコンテンツ提供を開始しており、その付加価値向上に取り組んでいます。
関連ワード : アメリカ 金融経済