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クラウドファンディングの政治利用とその可能性 (2015/2/9 政治山)
起業家やクリエイター、NPOにとって新たな資金調達の方法として注目を集まるクラウドファンディング。その分野は政治活動にも及び、政治家の政策立案に必要な活動資金の調達にも活用され始めています。そこで政治山では、国会議員でいち早くクラウドファンディングを活用して自身の海外視察の費用を集めた、自由民主党の福田峰之衆議院議員にその反響と今後の可能性について聞きました。
支援者を開拓して背中を押してもらう仕組み
――どんなプロジェクトにクラウドファンディングを活用されたのですか?
「自民党IT戦略特命委員会資金決済小委員長として、ビットコインを始めとした『価値記録』による決済について提言書をまとめました。米国では、これを利用したビジネスがどんどん立ち上がっています。そこで渡米して関係者と意見交換をしたいと思い、そのための費用を集めるのにクラウドファンディングを活用しました」
――どんな方からの支援があったのですか?
「実は後援会でいつも支援をしていただいている方々よりも、ビットコインをビジネスチャンスと考えているベンチャーの起業家や研究者の方々から多くの支援をいただきました。直接面識のない方からも多くの応援をいただくことができたのは大きな収穫です。
クラウドファンディングでは資金を集めることに注目がいきがちですが、実は賛同してくれる応援者も同時に集めることができるのが最大の魅力だと感じます。
支援者が投じてくれた資金をもとに、政策を前に進める事は民主主義のカタチとしても非常に理想的だとも考えています」
選挙前の活用の課題と可能性
――来年に統一地方選も控えていますが、選挙資金の調達にも活用できるのでしょうか?
「2013年にネット選挙が解禁されて、政治家もFacebookなどを効果的に利用した情報発信を行うことが求められています。クラウドファンディングはSNSとも親和性が高く、プロジェクトを介して活動を知っていただくきっかけにもなり、選挙前に実施することで新たな支持層の開拓も期待できます。
ただし、クラウドファンディングを活用したからといって自然と情報が拡散され、勝手に資金が入ってくることは決してありません。基本は自分自身が情報発信と拡散の中心となって直接周りの応援者に協力を仰ぎつつ、多くの方に知っていただく努力がかかせません。
また、公選法の関係から、明確に選挙資金を集めることを前面に出したプロジェクトはできません。具体的には公職選挙法第129条の公示・告示前の事前選挙運動にあたることが考えられます。そのため知識や専門家のアドバイスなくクラウドファンディングを活用することは危険ともいえます」
――ではどのように活用したらいいのでしょうか?
「クラウドファンディングはまだ新しい仕組みのため、法整備が追いついていない部分もあります。活用を検討する際は、既に運用実績のあるサービスを利用するか、弁護士や選管からプロジェクトの内容に関する見解を事前に確認し、公選法に抵触しないことを十分に注意する必要があります。
新しい仕組みだからこそ活用することで注目を集め、支援者を集めるための効果的な政治活動にもなり得るのではないでしょうか」
- 福田峰之 衆議院議員
昭和39年4月8日生まれ、横浜市青葉区在住。衆議院議員(現在3期目)、衆議院法務委員会理事他。
自民党IT戦略特命委員会、水素社会推進委員会、コンテンツ小委員会各事務局長を務める。
また、自民党行政改革推進本部無駄撲滅チーム統括主査として事業仕分けの責任者となる。
水素エネルギー政策、IT政策、知的財産政策の実務責任者として党の議論をリードする。