【海外】「Twitterは世論を反映していない」米国調査から ネット選挙ドットコム 2013年3月13日
米国の独立調査機関であるピュー・リサーチ・センターは、現地時間の2013年3月4日、過去1年間にわたる「世論調査の数字とツイートの傾向」を比較した調査結果を公表しました。
この調査結果によると、「オバマ大統領の再選」については、世論調査では、「歓迎(52%)」、「不満(45%)」となる一方、「Twitter」では「歓迎する(77%)」、「不満(23%)」との結果になりました。
同調査によれば、米国での「Twitter」利用者の構成は、一般市民全体に比べて若い年代が多く、民主党支持者が多いそうで、2012年の統計では、「Twitter」にニュースを投稿する成人利用者の半数が「30歳未満」で、57%が「民主党員または同党支持者」でした。しかし、一般成人全体の中でみると、「30歳未満」が占める割合は23%、「民主党員または同党支持者」は46%にすぎないといわれています。
逆に、オバマ大統領の2期目の就任演説を「良かった」と評価する声は、世論調査では48%にのぼりましたが、ツイートでは13%にとどまっています。また、ケリー国務長官の指名に対する意見は、世論調査でみると「賛成(39%)」、「反対(36%)」、「中立(26%)」と均等に回答が分かれる一方、ツイートでは「賛成(6%)」、「反対(32%)」、「中立(62%)」と、いうかたよった分布になりました。
このあたりは、「Twitter」では、あらかじめ用意された質問に答える世論調査と異なり、利用者自身が重要だと感じる話題についてのみ発言する利用方法が一般的になっていることにその原因がありそうです。つまり、関心があるものだけの意見が、大勢を占めるケースが少なくないともいえるわけです。
また、「Twitter」に限らないのですが、インターネットの世界では、「否定的」意見が多く集まる傾向があるとの意見もあります。大統領選前のオバマ、ロムニー両候補へのコメントを例に挙げれば、オバマ大統領へは「40%から50%」、ロムニー氏については「50%から60%」が否定的意見でした。
ちなみに、同センターが2012年に実施した調査によると、米国内の成人で「Twitter」を使っている人は13%、時々または日常的にニュースや見出しを投稿する人は3%となっています。
「Twitter」の利用法に関して言えば、米国と日本では異なる面もあり、今回の分析内容がそのまま日本国内の情勢にあてはまるとはいえないですし、また、比較の軸となる世論調査自体が、公平性を保っているかどうかについては、疑問に思う声も少なくありません。検証を目的としている間は有効であっても、目的が変容し始めると、数字自体の信頼性も低下する結果になってしまうこともあるのではないでしょうか。
▼外部リンク
ピュー・リサーチ・センター プレスリリース
http://www.pewresearch.org/2013/03/04/