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【早大マニフェスト研究所連載/マニフェスト学校~政治山出張講座~】

第7回マニフェスト大賞、優秀賞38件が決定 今年の特徴は?(2012/10/4 早大マニフェスト研究所)

政治山では、ローカル・マニフェストによって地域から政治を変える活動を行っている「早稲田大学マニフェスト研究所」(所長:北川正恭早大大学院教授)と連携し、「議会改革」と「マニフェスト」をテーマに連載しています。マニフェストをテーマとした連載「マニフェスト学校~政治山出張講座~」では、議員・首長などのマニフェスト活用の最新事例をもとに、マニフェスト型政治の課題や可能性について考えていきます。

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 地方政治の先進的な取り組みを表彰する「第7回マニフェスト大賞」は応募期間を終え、審査委員会の審査を経て、11月2日に東京都港区・六本木ヒルズで授賞式が行われます。

 早大マニフェスト研究所では、10月1日の同大賞優秀賞発表を受けて、優秀賞の紹介と今回の応募作の特徴をまとめました。

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マニフェスト大賞への応募件数は増加している

 2012年10月1日、第7回マニフェスト大賞の優秀賞38件が発表されました。今年の応募期間は、7~8月の2カ月間で、全国から過去最多の1,889件、1,376団体の応募が集まりました。11月2日の授賞式で、優秀賞の中から最優秀賞が発表されます。また、その他の応募作の中からも、特別審査委員の箭内(やない)道彦氏や秋吉久美子氏が選んだ特別賞が発表されます。

 応募件数は、実行委員会の努力もあり、グラフの通り毎年右肩上がりとなっており、地方から善政競争に参加する首長・地方議会・市民団体が増えていることがわかります。
優秀賞に選ばれた38件以外にも、参考にしたい注目の政策やアイディアがたくさんあることから、実行委員はなんとかこうした優れた内容をみんなで共有したり、学び合う機会をつくることができなかと検討を進めています。

第7回マニフェスト大賞応募作の特徴は

 毎年、応募作が多様化してきていることを感じます。そこで、早大マニフェスト研究所が見る第7回マニフェスト大賞応募作の特徴(とくに地方議会)をまとめました。

(1)「地方議会」としての応募が増加
 単独会派や個人議員ではなく、「地方議会」が一丸となって取り組んだ内容が増えてきました。
(2)「超党派」の活動が活発化
 超党派による議員提案条例の制定のほか、党派に縛られずに、テーマや年代ごとに勉強会・報告会・イベントなどを試みる事例が増えてきました。
(3)「議会事務局」に焦点を当てた取り組みの出現
 議会改革の中で議会事務局が新しい力を発揮したり、議会事務局のあり方を問う研究会やイベントを進める動きが出てきました。
(4)「電子媒体と紙媒体」両方をフル活用
 Ustream、Twitter、Facebook、Googleなど、ICTツールを積極的に活用する一方で、議会だよりを手作りで発行したり、地道に地域を回って議会報告会の開催回数を重ねたりと、アナログな手法も大切に進め、成果を挙げていく試みが目立つようになりました。
(5)「地域と地域」「地域と大学」「地域と民間企業」など、連携・ネットワークの増加
 東日本大震災の影響も大きいと思いますが、複数地域が連携したり、産官学が協力して取り組みを行う事例が増えました。地方議会と大学の連携も増えているようです。

 マニフェスト大賞は今年で7年目を迎えます。国政では政治の信頼低下が懸念されていますが、地方政治では毎年、進化や新しい可能性を感じることができます。今年は、授賞式翌日の11月3日に、応募された最先端事例を学ぶ研修会も開催いたしますので、こうした善政競争の最先端事例を知りたい方はぜひ参加してみてください(詳細はホームページ等を参照)。

(早大マニフェスト研究所)


審査委員会での議論の様子(左から定金基委員、廣瀬克哉委員、千葉茂明委員、曽根泰教委員)
審査委員会での議論の様子(左から定金基委員、廣瀬克哉委員、千葉茂明委員、曽根泰教委員)
審査委員会では毎回、さまざまな意見が議論される(左から北川審査委員長、塚本寿雄委員、藤森克彦委員、人羅格委員、江藤俊昭委員)
審査委員会では毎回、さまざまな意見が議論される(左から北川審査委員長、塚本寿雄委員、藤森克彦委員、人羅格委員、江藤俊昭委員)

関連リンク
第7回マニフェスト大賞 優秀賞一覧はこちらから
第7回マニフェスト大賞優秀賞を発表いたしました | マニフェスト大賞
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