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年々変わる新入社員の意識に企業はどこまで合せるべきなのか (2018/6/12 瓦版

関連ワード : 労働・雇用 

アットホームでも個は尊重して欲しい2018年の新人

リクルートマネジメントソリューションズが「2018年新入社員意識調査」の結果を発表した。調査は、新人研修受講者1278人を対象に期待や不安などに関する5つの質問に回答する形式で行われた。

Q1:あなたが社会人として働いていく上で大切にしたいことは何ですか?

リクルートマネジメントソリューションズ調べ

社会人として大切にしたことについての質問では、「社会人としてのルール・マナーを身につけること」がトップだったが、ポイントは3.5%ダウン。2010年の調査開始以来最も低い数値となった。一方で「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」が昨年に続く2位ながら2.0ポイント上昇。調査開始以来最高値となった。

どんな職場で働きたいかについては、「互いに助け合う」「アットホーム」が5年連続でトップ2をキープ。そして、「互いの個性を尊重する」が3.8ポイントアップし、2トップに肉薄。この5年の比較では10.2ポイントもの上昇を果たしている。

Q2:あなたはどのような特徴を持つ職場で働きたいですか?

リクルートマネジメントソリューションズ調べ

ここまでをみると、2018年の新人は、和気あいあいと互助の精神を大切にしながらも個性は尊重するという、良くも悪くも目標達成重視のプロ志向な印象を受ける。頼もしい一方で、実際の経験値が少ないだけに、見守る側にとっては、忍耐力も求められそうだが、当の新人は上司に何を期待しているのか。

「上司に期待すること」という質問に対しては、「一人一人に対し丁寧に指導すること」が、大きくポイントを上げ、トップの「相手の意見や考え方に耳を傾ける」に迫っている。一方で「仕事に情熱を持って取り組むこと」は、年々ポイント下げ、体育会や熱血指導が敬遠されていることが透けて見える。

Q5:あなたが仕事・職場生活をする上で不安に思っていることは何ですか?

リクルートマネジメントソリューションズ調べ

こうしたことを裏付けるように「仕事・職場生活をする上で不安に思っていること」に対し、「やりたい仕事ができるか」「十分な収入が得られるか」「会社の風土に自分があっているか」が、順位こそ下位ながら上昇率が大きくなっている。いかに自分が自分らしくあれるか、その上で収入も安定しているか。この結果は、ある意味では2018年の新人が、仕事や職場をあくまでも自分軸で考えていることを鮮明に映し出しているといえそうだ。

“進化”した若者をどうマネジメントすべきなのか

一律管理の体育会式の従来型の熱血系マネジメントは、もはや機能しない昨今の新人。こうした変化について同社事業開発部の主任研究員の桑原正義氏は「上司世代とは環境が大きく変化しており、アタリマエの基準が異なっている」とした上で「やる気や能力が低いのではなく、経験不足なだけ。トライ&ラーンで経験から学ぶことでポテンシャルが引き出され、大きく成長していく」とアドバイスを送る。

ゴマすりや忖度で、上司の顔色をうかがうことが、職場での社員の役割。そんな時代は今は昔。そんな暇があるなら、しっかり目の前の業務に取り組み、困っている人が助け合い、それぞれの役割を明確にして業務を完遂する――。昨今の若者の意識は明らかに高まっている。裏を返せば、働き方が過渡期にあるいま、変わるべきは実は、古い成功体験が染みついているミドル以降。年々変化する若者の意識だが、もはやそんな風に捉えるのが健全なのかもしれない…。

提供:瓦版

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