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三菱東京UFJが9,500人分の業務自動化サラリーマンに求められる心構えは? (2017/9/29 JIJICO

関連ワード : ICT 働き方改革 労働・雇用 科学技術 

自動化すすむ、IT、AIのほか、RPAも

三菱東京UFJが社員の3割にあたる9,500人分の仕事を自動化すると発表しました。こうした動きは具体的には、誰にどのような影響があるのでしょうか。また、今後、働き方はどのように変わるのでしょうか。

「自動化」する技術としては、以前からいわれているITやAI(人工知能)の他に、最近はPCを使った定型的な繰り返し作業を担う「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」と呼ばれるソフトも注目を浴びています。三菱東京UFJもこのRPAを採用しており、すでに30の業務で作業時間を5割以上削減。今後3年間で2,000業務に拡大するとしています。

チームワーク

昨今の人材不足と長時間労働是正を受けて、多くの企業が、これまで人手でおこなってきた作業を自動化しようとしています。第一生命ではこの10月から本格的にRPAの稼働を開始。例えば、保険金請求の処理業務を担当する社員の割り振りをRPAで自動化するなどして、最大で150人相当の作業を代替させます。

電通では2017年中に300の業務でRPAを導入。月間で5万8,000時間分の労働時間の削減を目指しています。その他にもリクルートHD、NECなど、大手企業が続々とRPAを導入して作業の自動化を進めています。

定型業務からの脱退は、キャリア構築の好機!

業務の自動化により、働き方にはどのような影響があるでしょうか?三菱東京UFJでは、これまで比較的単純な作業に従事してきた従業員をより「クリエイティブ」な仕事に、第一生命では、営業や海外事業などの部門に再配置したいとしています。

再配置に不安を感じる人も多いでしょう。しかし、ここは好機と捉えましょう。定型業務を担っている「一般事務」や「オペレーター」の人たちは、これまでは能力が高くても、自分の業務範囲を広げることは難しかった。また、社内の教育も、ごく限られた範囲の業務をこなすための訓練しか受けていない場合が多く、他の業務に異動したり、昇進昇格したりするのは難しい状況でした。

再配置は、より自分の力を発揮することのできる業務に就くチャンスです。また、クリエイティブな仕事で、時間ではなく成果で評価されるようになれば、家庭と仕事の両立もしやすくなり、特に女性にとって大きな好機と言えるでしょう。

事務職の他にもすすむ自動化、教育や人事でも

再配置は好機、と言われても、「これまでの事務作業が好きだった」とか「業務内容が変わることに抵抗がある」という人もいることでしょう。変化を望まず、安全・確実な仕事を望むタイプの人にとっては、自動化の流れは不安が大きいかもしれません。

しかし、この自動化は、今後避けることはできません。世界規模では、2025年までに1億人の知的労働者の仕事がRPAに置き換わるとの試算もあります。

自動化されるのは事務作業だけではありません。対話型AIを導入して、従業員や顧客からの質問に自動で回答するFAQシステムが普及しつつあります。また、人事分野でも、面接前にAIで応募者の診断をしたり、人事査定や人員配置をAIで自動化したりする試みが始まっています。

単純作業だけでなく、これまでは経験や知識、判断力が必要とされてきた分野でも、一定の条件を事前にインプットしておくことで自動化が可能になっているのです。

これからの働き方と心構え

多くの業務が自動化されていく中で、どのような心構えで仕事にのぞめばいいのでしょうか。

最も大切なものは、人同士の関わりです。どんなに技術が発達しても、人は人のために、人と一緒に仕事がしたいのです。人は人同士で共感しあい、相手に対する思いやりを持って行動をすることができます。共感力・思いやり・行動力、この3つを持っている人は、世の中がどんなに変わっても、人から求められる人材で有り続けるでしょう。

仕事の変化は、人々が幸せに生活を続けて行くために必要なことで、受け入れるしかありません。変化は望まず、安定・確実を好むのであれば、仕事以外のことで実現しましょう。友人との信頼関係、家族との互いの愛情、情熱を傾けたい趣味などです。

変化の速い現代。仕事の変化はさらっと受け止めて、自分のことをずっと変わらずに応援し続けてくれる人を大切にしていきましょう。応援してくれる人がいれば、仕事の変化もきっと乗り越えることができます。人にとって一番大切なのは、やっぱり人なのです。

提供:JIJICO

著者プロフィール
森 ゆき/キャリアコンサルタント・講師

森 ゆき/キャリアコンサルタント・講師
働く女性と企業、両方の「本音」に通じた実践的なアドバイス
20年におよぶ企業勤務のなかで3人の子供の出産・育児を経験。企業論理とワーキングマザー両方の「リアル」を熟知した、複合的な視点で行う女性の働き方・人材育成へのアドバイスは経営者・社員双方から好評。

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